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Re:ゼロから始める士郎の生活
七話 渦巻く心と螺旋の輪廻
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、白鯨に関する情報を少しずつ収集していったそうだ。
僕も、王国での職務の間に白鯨に関しての情報を可能な限り集めたが…どれも不確かなものばかりで、お爺様の役に立つ情報は無かった。
そしてそれから更に数ヶ月後、お爺様は帰ってきた。
だが、帰ってきた直後にお爺様は。
「ラインハルト、ハインケル…私は、この家から出て行く」
お爺様は家を。
家族を捨てた。
いや、捨てたというのは語弊だ。お爺様は、家族を想うからこそ自ら身を引いたのだ。
それからお爺様は、王候補の一人であるクルシュ・カルステン様の元で仕えているそうだ。

あれからお爺様とは会っていない。
お父様ともすれ違う程度で会話もろくにしていない。
寂しいとは感じないが…この違和感は何だろう?
言葉にしようとするともどかしい。

「────────────────」

頭の片隅で、心の中で、僕にいつも考えている。
剣聖として、ラインハルト・ヴァン・アストレアとして…僕は役割を果たせているのかと?
剣聖は、誰よりも強くなくてはならない。
肉体的にも精神でにも強くなくてはならない。
今の僕は強いのか?
剣聖の加護を継承してから一度も敗北をした事はない…でも、勝利してきたとは限らないんだ。
負ける事は無かった。だが、全ての戦いにおて勝ってきたとは言い切れない。
色んな失敗をしてきた。
あともう少し早ければ助かった生命だって沢山あった。
いくら強くなっても…周りの誰かは死んでいくんだ。
じゃあ…僕は、何の為に強くなったんだ?
別に望んで強くなった訳ではない。だが、強くなったのなら…その責務を果たさなければならない。それが、剣聖の一族に産まれてきた者の宿命とも言える。
望まれた力を皆の為に使う。そして皆の為に戦う。

皆の望む強さとは『暴力』

他者を圧倒する力だ。

言葉でも無ければ想いでもない。この力は、ただ人を殺す為だけにある。
結果的に、それが人の命を救うなんてどうかしてる…と昔の僕なら言っただろう。
でも、違う。違うんだ。
戦場では敵軍の兵士をどれだけ殺したかで勝敗が決まる。
無闇に闇雲に人の生命を奪いたくない…殺したくない。
だが、剣聖として僕は役割を果たさなければならない。
敵に、最低限の被害でどれだけ数を減らせるか…そして、どうすれば戦いを早急に終わらせられるか…そんな事ばかり考えてしまうんだ。
敵将を討ち取って早期解決?
ひたすらに敵兵を薙ぎ払って終わらせる?
そもそも敵国を滅ぼせば戦いは終わるのか?
いや、終わらない。敵国との戦争に勝ったとしても人間という生き物は戦いからは逃れられない宿命なのだ。
だから、抑止力に期待してしまう。
もしかしたら、もしかすれば…。
あるかも知れない。有り得たかも知れない可能性にす
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