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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第55話
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「あはは、闘神の息子か。妹さんを灰のお兄さん達と一緒に殺っちゃうなんて、酷いお兄さんだねぇ。」

「ああ、戦鬼の小娘の兄貴か。」

ランディに睨まれて呑気に笑いながら答えたカンパネルラの言葉を聞いたマクバーンはある事を思い出し

「兄貴じゃねえっての!」

ランディは二人を睨んで指摘した。

「マキアス君、アリサ君、エマ君達もお疲れだった。お馴染みの道化師君に……リウイ陛下達に討ち取られて亡霊と化した”火焔魔人”殿だったか。」

「クク、そういうアンタは”放蕩皇子”で、”聖魔皇女の懐刀”の隣は”帝国の至宝”の片割れだったか。ただの皇族のクセに兄妹揃って妙な魔力を感じるじゃねえか?」

「フフ……古のアルノールの血かな?そしてそちらが………噂の”六銃士”達の”筆頭”の”黄金の戦王”殿か。フフ、もしくは”好色皇”か”簒奪王”と呼ぶべきかな?」

オリヴァルト皇子とアルフィンを興味ありげな様子で見つめているマクバーンの言葉に対して意味ありげな笑みを浮かべて答えたカンパネルラはヴァイスに視線を向けた。



「やれやれ、別に”六銃士”には”鉄血の子供達(アイアンブリード)”のように”筆頭”は存在しないのだが―――――この(タワー)は俺達の城であり、クロスベル帝国の”象徴”でもある城だ。礼儀は弁えてもらおうか、”身喰らう蛇”の残党共?」

カンパネルラの言葉に対して溜息を吐いたヴァイスは一歩前に出て全身に凄まじい闘気を纏ってカンパネルラとマクバーンに対して大剣を突き付けた。

「あはは……!ゾクゾクしてくるなぁ!でも、そろそろ時間切れかな?」

「クク、アンタ達とは一度、やり合ってみたかったが……目当ての連中は釣れなかったし、あくまで今日は”前挨拶”だ。」

意味深な事を口にした執行者の二人はそれぞれ転移と跳躍で揚陸艇の上に乗った。

「フフ、それじゃあ今宵はお付き合い下さり――――」

揚陸艇の上に乗ったカンパネルラは別れの言葉を告げようとしたが

「待ちたまえ。折角だ、手土産の一つくらい置いていってもらおうじゃないか。”情報”という名のね。」

「お兄様……」

「あら、オリビエお兄さんにしては珍しくまともな提案じゃない。」

「今は茶化している状況ではありませんわよ、レン教官……」

オリヴァルト皇子が二人に対して制止の言葉をかけてある提案をし、オリヴァルト皇子の提案にアルフィンが驚いている中目を丸くして呟いたレンにセレーネは疲れた表情で指摘した。



「へえ……?」

「うふふ……何が聞きたいのかな?」

「言うまでもない―――”目当ての連中”というのは何者だ?そして、どうしてこの地に来ている”深淵の魔女”どのがそこにいない?」

「あ………」

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