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ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
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2章 生き様
20話 心中
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 転移門から家までの帰路を、ツカサは軽いとは言えない足取りで歩いていた。リアに相談もせず、独断でああいってきてしまったが、このことを聞いてリアはどう思うのだろうか。それを考えると、ツカサの足をさらに重くさせる。



 だが、その道は永遠に続くはずもなく、家にたどり着いてしまう。ツカサはわずかに息を吐いてから、扉を開ける。案の定、リアはまだ起きていないようで、リビングには人の気配がない。いるのは、ソファの上で寝転んでいる一頭の狼だけである。ほかでもない、ついこないだテイムしたティバインウルフのルーである。

 本当にこの使い魔は特殊な点がいろいろとあり、「元はボスモンスター」「体の大きさを変えられる」などのほかに、「主人と離れることができる」というものがある。


 通常使い魔は、いつでも主人に付き従うものであり、別行動はできないというのが鉄則なのだ。だが、ルーはここで待てと命令されれば、ずっとそこに待機させることができる。連れて回るのはあまりに目立つという理由で、ツカサは連れて行かないという選択することが多かった。



 そんなルーを横目で見ながら装備を解き、ツカサの脚は家の奥へとむかうと、木製の扉を再び足開ける。だが…

「っ…!」



 リアの姿は、どこにもなかった。



 ツカサの心臓は早鐘を打ち、冷や汗が噴き出るような感覚に襲われる。


 リアが、いない。このタイミングでこの状況は、あまりにも不吉だった。ツカサは震える指でメニューウィンドウからフレンドリストへと飛び、スクロールさせる。名前の量が極端に少ないために、その名前はすぐに発見される。そして、その隣には…グレーの色。



 ツカサの心臓は、今ではまるでその体内から出ようとしているかのように脈打ち、それが耳元でなっているかのような錯覚にも陥るほどだ。




 気持ちを落ち着けようと、ツカサは目を閉じ、ゆっくりと深呼吸を繰り返す。徐々にそれらが収まっていくのを感じ、それと同時に頭が澄んでいく。




 


 まず至った結論は、「リアが自殺するはずはない」。いくら辛いことがあっても、あのリアが自ら命を絶つはずはないと思うし、何より、その場合自分に一言も言わずに死のうとすることはないと、ツカサは断言できる。だから、とにかくその線は却下にする。



 とすれば、グレーゾーンの意味はあと一つしかない。…圏外に出ているのだ。だが、だとしたら一体どこへ行ったのだろう。


 ツカサはリビングへと引き返し、脚を組んで椅子に座った。


 今までのこのSAOでの記憶が頭の中を高速で巡る。リアは恐らく、適当な場所に行ったのではない。必ず意味がある場所にいる。そして、リアは“見つけられることを
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