猫娘と期末試験編
NO.065 自覚する歪んだ信念
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…分かったような気がする……」
「弔くん! ついに見つけたんですねぇ!」
「あぁ……」
そして出久は見た。
そこには答えを得て不気味な笑みを浮かべた死柄木がこう話した……。
「全部……オールマイトが原因だってことをな……」
「ッ!!」
そのどす黒い笑みに出久は恐怖を感じた。
底知れない憎しみを讃えているその笑みはもう数値に出すことができないほどだと……。
「そうだったんだよなぁ……最初から答えはあったんだ。どうしてそれにすぐに気づけなかったんだ……オールマイトがヘラヘラと笑ってるから、周りの奴らも同じようにヘラヘラと危機感を感じないで笑ってるんだ……ホントに、救えなかった人間などいなかったかのようにヘラヘラと笑ってるからなんだよなぁ!!」
その言葉の端々に感じられる憎しみはどう表現してもし足りない。
死柄木の原点はそこだったんだと、出久の言葉が思い出させてくれた。
「お前と話せてよかった! ありがとう緑谷!」
そう言いながらも出久の首を絞めていく死柄木。
気持ちが有頂天になって制御が疎かになっているのであろう。
五本の指が重ねられないだけまだ救いはあるが、それでも出久にとってはたまったものではない。
「ちょっと弔くん? 出久ちゃんが苦しそうですよ……? 聞いてますー?」
そんな、トガの言葉も耳に入らないほどに死柄木はただひたすら嗤う。
「(皮肉なもんだぜ、ヒーロー殺し……全くの正反対の俺を生かしたお前のその理想、信念が全部俺の踏み台になるんだからな!!)」
もう息が詰まるどころではないと限界を感じ始めていた出久に、だが救いの手が差し伸べられる。
「デクちゃん……? お友達、じゃないよね……?」
買い物から帰ってきたお茶子が出久のあまりの様子に顔を蒼白にさせながらもそう聞いてくる。
「手……放して……?」
震える言葉で、それでも出久を助けようと言葉を紡ぐお茶子。
それでポケットに手を入れる仕草をする死柄木。
それにいち早く気づいた出久は、
「何でもない! 大丈夫だから! だから来ちゃダメ……!」
なんとか言葉を絞り出せた出久だったが、死柄木はそこで意外な行動を取った。
「連れがいたのか。ごめんねー!」
先ほどまでの事がまるで嘘かのように明るく振舞う死柄木。
そんな光景に呆気にとられる出久とお茶子。
そしてトガと一緒に立ち上がり、出久から少しずつ離れていく。
離れ際に小声で「追ってきたら、分かるな……?」と言い残す。
出久は何度も咽ながらも、必死に死柄木に言葉を張り上げる。
「待って……死柄木……! 『オール・フォー・ワン』は何が目的なの……?」
「えっ……死柄木って……」
「さぁな……それより次会
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