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【完結】猫娘と化した緑谷出久
猫娘と期末試験編
NO.065 自覚する歪んだ信念
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る。

「だいたい、俺はなんにでも気に入らないものがあるが最近では特に気に入らないものはヒーロー殺しだ。腹が立ってしょうがない……」
「仲間、じゃなかったの……?」
「世間ではそう言われているな。俺は決して認めちゃいねぇがな。そして問題はそこだ」
「……?」

何が問題なのだろうかと思う出久。
だが下手に聞き返して機嫌を損ねられたら堪らないので死柄木の次の言葉を待つ。

「ほとんどの奴らがヴィラン連合よりヒーロー殺しに目を向けていやがる。雄英襲撃や保須市での脳無の件も、全部奴に喰われた……。なぜ誰も俺のことを気にしない? なぜ俺のことで騒がない? なぜ、あんな能書きを垂れてるがしていることは所詮はヴィランとなんも変わらないヒーロー殺しにしか目を向けない? 奴も気に食わないものを壊して回っていただけだろ? おかしいよな? なぁ緑谷。奴と俺で何が違う……? 答えろ……」

そう言って死柄木は肩から首に手を回していって少し力を強める。
死柄木も焦っているのだ。
このままではもやもやが晴れない。なにか確証を持てるものが欲しいのだ。
今まではただ暴れるだけでよかった。
だが、これからは率いていく立場になるのだからこんな中途半端な状態では先生と呼ぶ人にも顔向けをされなくなってしまう。
それだけは嫌だ。
過去の地獄の中から助け出してくれた先生に捨てられるなんて考えたらそれだけで死ねる。
だから、出久が真に必要な何かを答えてくれることを切に祈ってすらいる死柄木。
果たして出久は、

「な、なにが違うかって……僕はお前のことは理解も納得もできない……だってお前は本当にただ壊すことだけを考えていたんだから。
だけど、ヒーロー殺しも当然納得はできない……でも、それでも理解だけはできた……」
「理解、だと……? 教えろ……その理解とやらを……」

答えが知れると思った死柄木はさらに首にかける手に力を込めていく。
それで息苦しくなっている感覚を覚えながらも出久は話す。

「……僕も、そしてヒーロー殺しも……始まりは、オールマイトだったから……。
僕はあの時、ヒーロー殺しに助けられた……。それで思った。少なくともあいつは壊したいがために壊していたんじゃないって……。
お前のように途中で諦めて徒に投げ出したりもしなかった……。
やり方が間違っていようとも、それでもヒーロー殺しは理想に生きようとしていた…………んだと思う」

そこまで出久が言い切った瞬間だった。
突然なにかのプレッシャーに襲われるイメージを感じた出久。
重く、暗いなにか……どす黒い感情が溢れ出てきたかのような……。

「あぁ……スッキリした。点と点が線で繋がったような気分だ。なんでヒーロー殺しが憎くてムカつくのか……そしてなんでお前が鬱陶しいのか…
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