猫娘と期末試験編
NO.065 自覚する歪んだ信念
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ありがとうございますー!」
そんな感じで三人は座れる場所に出久を真ん中に座らせて逃げられないようにして話をしだす。
まずはトガが出久に話しかける。
「それじゃ出久ちゃん、初めまして! 私、トガヒミコっていいますぅ。これでもヴィランやってますー」
「トガヒミコ……? そんなヴィランの名前、聞いたことない……」
「それはそうですよー。素敵なメディアの方々がまだ私が未成年だからっていう配慮で表向き、名前と顔は公開してくれないので多少はありがたいと思っていますー。
でもぉ、最近おかしく感じるんですよねー」
「な、なにが……?」
「はいー。なんで私が公表されないのに、出久ちゃんは全国に顔が知れ渡ってしまったのかとぉ……。おかしいですよねー? 未成年保護法が適用されるならたかだか人一人を助けただけで、しかも良いことをしたのに……悪いことはしていないのに出久ちゃんは公表されちゃったのかなって……なにかしら陰謀めいたものを感じませんかー? 感じますよねー? キャハハ♪」
「…………」
出久は何も答えられない。
そのあまりにも楽しそうに話すトガにどう言葉を返していいのかわからないのだ。
そんな困惑する出久の気持ちとは裏腹にさらに言葉を重ねるトガ。
「ですけど、そんなことはどうでもいいんですよ。私にとっては出久ちゃんという子の事が知れた幸運だけを感じられれば……雄英体育祭、見させてもらいましたー。あのお茶子ちゃんも中々に興奮しましたけど、やっぱり決勝での戦いは私を興奮させてくれました!
あの、爆破の男の子の攻撃によってどんどんと体に火傷や傷を負っていく光景を見せられて、魅せられて、ミセラレテ……。あぁ、ステ様以外にもこういう気持ちを抱く事ができたんだなって……私、出久ちゃんになりたいなって……それにもっと出久ちゃんの傷つく姿を見たいなって……もう考えるだけで幸せになってくるのですよ。そして最後には二人で気持ちよく殺し愛をして逝きたいです……♪」
さながらマシンガンのようなトークをし終わったのか、恍惚とした表情のまま笑みを浮かべているトガに、出久は戦慄のような感覚を覚えた。
あまりに狂気じみている。
それは一緒に聞いていた死柄木も思ったのか、
「……とんだイカレ野郎だったか。もういいか……?」
「はいー。私の気持ちはもう存分に伝えました。これで私と出久ちゃんは友達ですね! やったー!!」
「話が噛み合わねぇな……。まぁいいか。それじゃ緑谷、今から俺の質問に答えてもらうぞ」
「う、うん……」
もうトガだけでいっぱいいっぱいだった出久はまだ話が分かる死柄木に対して楽な気持ちで挑めることができた。
イカレ具合はどっちも似たようなものだが、人間話が噛み合わない人より多少でも噛み合う人の方に気持ちを集中できるものであ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ