第5章:幽世と魔導師
第167話「戦いの果てに」
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この時の優輝の推測は、寸分違わず合っていた。
守護者は因果操作を懸念してそれを無効化する護符を事前に持っていたのだ。
しかも、それは使い捨てではなく、何度も機能するタイプの。
当然、これはその場で作れるものではなく、守護者が生前、とこよとして生きていた時に時間をかけて制作したものである。
そのため、破壊もこの状況下では不可能に近かった。
「っ、ぐぅう……!?」
そして、動揺して地面に叩きつけられたのがいけなかったのだろうか。
守護者による霊術で、優輝はその場から動けなくなる。
重圧による拘束だ。
「(破るまでに時間がかかる……!一体、何を……ッ!?)」
“仕掛けてくるのか”と、思考は続かなかった。
なぜなら、守護者の正面に瘴気が集中しているのが見て取れたからだ。
「(結界を維持する瘴気も全て……いや、それだけじゃない!結界外の瘴気も集束させているのか!?なのはのスターライトブレイカーのように……!)」
結界が解け、結界内のみでの事象だった灼けた地面も消える。
スターライトブレイカーの瘴気版とも言えるソレに、優輝は戦慄せざるを得なかった。
〈マスター!〉
「……回避は、選択できない……!」
重圧に使われた霊力も持っていかれたのか、優輝の拘束が解ける。
だが、“逃げる”という選択肢は既に潰された。
「あれを避けたら、結界のない今の状況だと、京都を中心にいくつもの街が死ぬ……!」
そう。守護者が放とうとしているのは集束させた瘴気。
それがそのまま地面にぶつかれば、京都だけでなく周辺の県も瘴気に侵される。
そうなれば自然は全て死に、人も住めなくなってしまう。
「だから、相殺するしかない……!」
現状、守護者の放とうとしている攻撃は、防御も相殺も不可能に近い。
既に結界内にいた司たちは疲弊しており、相殺の手伝いもできそうにない。
むしろ、優輝が相殺に放つ攻撃の余波を防ぐのに精一杯だ。
結界外にいた紫陽達も距離が離れすぎて援軍を望めない。
故に、優輝一人で行うしかない。
「ッ………!」
時間はない。
優輝は魔力結晶を15個取り出す。
内5個は砲台とし、後は全て増幅装置とする。
「Verst?rkung、Komprimierung、Fokussierung、Multiplikation、Stabilit?t……!!」
増幅装置である二つの五芒星の頂点に設置された魔力結晶が輝く。
さらに砲台の魔力結晶の魔力も集束していく。
「束ねるは人々の想い、輝ける導きの光……闇を祓え!!」
〈“|勝利へ導きし王の剣《エクスカリバ
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