第5章:幽世と魔導師
第167話「戦いの果てに」
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神秘の力”。
さらには武器と共に創造した武器の担い手の怪力。
それらにより、守護者の普通の矢程度なら弾くことができた。
……そして、お互いに間合いに入る。
「ッッ……!」
「大英雄の絶技、食らうがいい……!」
―――“射殺す百頭”
―――“刀技・五龍咬-真髄-”
ギギギギギィイイン!!!
それは、模倣する数を減らし、精度を上げたからこそ出来た絶技だった。
守護者が瘴気を纏い、瘴気の触手と同時に繰り出された五連撃を上回る。
その事実にさしもの守護者も目を見開き、刀が大きく弾かれた。
「(隙が出来た!神降しでやられたあのカウンターがあったとしても、ここで確実に仕留める……!)」
刀を大きく弾き、守護者に大きな隙が生じる。
同時に、優輝は斧を手放し、槍を構える。
「その心臓、貰い受ける……!」
それは、ケルト神話にて大英雄クー・フーリンが使う槍。
Fateシリーズの作品にて、“心臓を貫いた”という結果を作ってから槍を放つという因果逆転の効果を持つ、初見殺しの必殺の槍。
「“刺し穿つ死棘の槍”……!!」
それが、守護者に向けて放たれる。
例え神降しの時に使われたカウンター技を使われたとしても、因果逆転の力があれば確実に守護者を仕留める事ができる。
そのため、優輝は相討ち覚悟でその槍を放った。
「ッ……!?」
……結論から言えば、その槍は心臓に命中する事はなかった。
「嘘、だろ?」
ギィイン!!
「ぐっ……!」
“当たらなかった理由”に優輝は動揺し、刀の叩きつけに一瞬反応が遅れる。
槍でその一撃自体は防いだものの、そのまま地面に叩きつけられる。
「っづ、ぁあああ……!?」
未だに熱気が収まらない地面の熱さに、優輝はすぐさまその場から浮く。
そして、すぐに思考を落ち着かせ、状況を分析する。
「(失敗した……訳じゃない、あれは……因果逆転そのものが発動しなかった……!)」
そう。放った槍は元ネタの作品でもネタにされるように当たらなかった訳じゃない。
“因果逆転”そのものが、守護者に対して働かなかったのだ。
それさえなければ、ただの鋭い槍の一突きでしかない。
それでは瘴気の触手であっさり弾かれてしまうだけだった。
「(槍を放つ瞬間、守護者が仕込んでいた術式が発動する節があった。……まさかとは思うけど、因果操作を無効化する護符でも持っているのか……!?)」
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