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レーヴァティン
第六十二話 伊勢の巫女その三

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「わしも思うぜよ」
「やり過ぎか」
「いや、ああした連中を裁くのはのう」
「法があってもだな」
「そうじゃ、ちゃんとああした目明しや与力、同心を置いてな」
「奉行もだな」
「警察じゃな」
 自分達の起きている世界ではこう言うべき者達だというのだ。
「その力でじゃ」
「捕まえてだな」
「そうじゃ、そしてな」
「裁判も行うべきだな」
「悪人なら手討ちにしてもええんだったらな」
 この島の伊勢、今自分達がいる街の様にというのだ。
「色々と問題が出るわ」
「実際に俺も呼び止められたしな」
「そうじゃ、やっぱり警察みたいな組織は必要でじゃ」
 そしてというのだ。
「ああした連中もな」
「警察組織が取り締まり、か」
「裁判所で裁くべきじゃ」
「そうだな、ではな」
「わし等が旗揚げしたらな」
「そうしたものも必要だな」
「法律とな」
 これと合わせてというのだ、言うまでもなく国家を形成し動かしていく為には法律がどうしても必要だ。
「そうしたものは必要じゃ」
「では俺もか」
「ああ、今はええがのう」
 旗揚げをしたらならというのだ。
「これからはな」
「手討ちよりもだな」
「裁判じゃ」
 こちらがあるべきだというのだ。
「やっぱりのう」
「わかった、ではな」
「ああ、法律と裁判と警察はぜよ」
「旗揚げしたら整えていこう」
「そういう風にな、ではじゃ」
 ここまで話してだ、当季は英雄にあらためてこう言った。
「これからさらにじゃ」
「伊勢の街を回ってな」
「お社にも入るぜよ」
 伊勢神宮のそこにもというのだ。
「そうするぜよ」
「是非な」
「そしてじゃ」 
 当季はさらに言った。
「巫女さんにも会うんじゃ」
「そうだな」
「そして赤福も食わんとな」
「あの餅か」
「そうぜよ、伊勢ならぜよ」
 この街に来たならというのだ。
「伊勢海老と伊勢うどんにじゃ」
「赤福餅か」
「この三つは絶対にぜよ、だからじゃ」
「これからか」
「伊勢うどんも食ってな」
 このうどんも忘れていなかった。
「そしてぜよ」
「赤福もか。ではな」
「食うのう、あの餅も」
「俺もあの餅は好きだ」
 英雄は自分の好みからも答えた。
「こし餡がいいな」
「それじゃ、粒はそれでええが」
 粒あんも決して悪くないというのだ。
「こし餡はこし餡でいいんじゃ」
「だからだな」
「赤福も食うんじゃ」
「ではな」
「赤福も食おうぜよ」
「そうするか、だが」
 英雄はその目を鋭くさせた、そうして当季のその印象からは想像出来ない位大きな身体を見つつ言った。
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