第一章
[2]次話
忍者ガール
アデリナ=バームガルトはドイツから日本に留学してきている。時代劇や落語、漢字そして古典にも通じている。
所属している部活は陸上部と剣道部だ、ここで日本で出来た友人達は彼女に問うた。
「剣道部はわかるけれど」
「ええ、アデリナ侍好きだから」
「けれどね」
「どうして陸上部?」
「陸上部にもいるの?」
「忍者だからでござるよ」
アデリナは友人達に笑顔で答えた。
「だからでござるよ」
「ああ、忍者は駆けたり跳んだりでね」
「陸上部にいると走って跳ぶから」
「忍術のトレーニングにもいいから」
「それでなのね」
「陸上部にも所属しているでござる」
アデリナ本人もこう言った。
「そうしているでござる」
「そうなのね」
「それでどっちも励んでいて」
「修行しているのね」
「そうでござる」
アデリナは笑顔で答えた。
「今日もそうするでござる」
「外国の人手忍者や侍好きな人多いっていうけれど」
「実際にそうなろうって人はね」
「私はじめて見たわ」
「私もよ」
皆こう言う、そしてだった。
アデリナの日本での生活を見た、アデリナは修行をしているだけに非常に俊敏でしかも強い。そしてさらにだ。
心も鍛えられていて正々堂々としている、そこで剣道部の部長が部活の後で防具の手入れをしている彼女にこう言った。
「アデリナは武士ね」
「武士というと侍ですね」
「ええ、騎士と言いたいけれど」
アデリナがドイツ出身だからだ、こうも思ったのだ。
「けれどね」
「拙者は騎士よりもでござる」
「武士になりたいのよね」
「はい、侍になりたいでござる」
部長に明るい笑顔で答える、袴姿が実によく似合っている。
「是非共」
「そうよね、だからね」
「武士でござるか」
「そう言ったのよ」
実際にというのだ。
「そうしたけれど」
「拙者そう言われて感激です」
「武士が好きだから」
「そう言われて恐悦至極で」
そしてというのだ。
「感激しているでござる」
「そうなのね」
「そしてでござる」
アデリナはさらに言った。
「拙者これからもでござる」
「修行するの」
「そうしていくでござる」
「頑張ってるわね、いいことよ」
「はい、憧れの日本にも来たでござるからな」
だからと言うのだった。
「拙者これからも修行をしていきまする」
「日本のことを勉強していくのね」
「忍者も武道も古典も」
そうしたもの全てをというのだ。
「学んでいきまする」
「日本人としても嬉しいわね」
「はい、ただ」
ここでだ、アデリナは顔を曇らせた。そうしてこうも言ったのだった。
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