永遠ならざる
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
宇宙歴792年 帝国歴483年3月。
艦隊の連携訓練の名目のもとに、第五艦隊及び第八艦隊の合同訓練が行われた。作戦参謀側から求められた必要練度は非常に高いものであったが、訓練を担当する第五室から提案され、各艦隊上層部にもある程度の方針説明があったため、互いが競い合うように訓練を始めた結果、既に目標値を達成した艦隊も出始めている。特に艦隊司令長官のシトレ大将が率いる第八艦隊、現場の叩き上げであるビュコック中将率いる第五艦隊はよきライバルとして、互いを意識している。
アレス自身は原作での訓練練度はどのようなものであったかなどは理解していないが、少なくとも作戦目標達成の訓練に留まらなかった時点で良い訓練となったと思うし、実際に訓練計画を担当した第五室では安堵の声が漏れていた。今後は警戒行動のために遠征していた第四艦隊が合流することになるが、この分では予定通りに訓練を終えられそうだ。
いささか不機嫌そうなのはビロライネン大佐くらいであったが、訓練計画は成功に終わったため、その怒りを第五室に向けることもできず、他の情報参謀へと向かっているようだ。第一室を担当するヴィオラ中佐が、もっと帝国の情報を仕入れて来いと怒られ、大汗をかいている。
最も正直同盟軍の情報部は他と比較しても非常にレベルが低いと、アレスは考えている。
記憶に残っている情報部の作戦がバグダッシュ中佐の情報操作と暗殺だ。
軍人じゃない民間営業だってもっとうまくやる。ましてや、現代で軍が介入しているような軍属企業であれば、もっと酷いものだ。失敗して、いきなり逮捕された同僚がいたなと過去を思い出して、苦笑する。
情報部について信頼ができないのは、その一件だけではなく、本来は最も帝国の情報を手に入れられるフェザーンで、情報は全てフェザーン側を経由してのものになっている。
それについては、今考えても致し方ないことではあるのだが。
アロンソ中佐には悪いが、アレスは情報部を一切信用していなかった。
情報の入手がフェザーンの気持ち次第というのは、情報部としてはどうなのだろうかと
そもそもクーデターも、止められていないしな。
思考するアレスの前では、今も第八艦隊と第五艦隊が相互に接敵訓練を行っている。
並行追撃作戦の情報はさすがに漏らすことができないため、互いが敵に対して再接近して、第八艦隊が敵を引き込み、第五艦隊がそれに着いていく。それが終われば逆に第五艦隊が引き込み、第八艦隊が接近するというものだ。
表向きは、敵艦隊をトールハンマーの斜線外へと引き込み、それに対して接近してくる敵を包囲するといった名目だったはず。
「第五艦隊の動きがいい」
目を引くのは、第五艦隊の一部の分艦隊。
スレイヤー少将旗下の分艦隊だ。
敵に対す
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ