永遠ならざる
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る反応と、それに対する行動が非常に素早く、まさしく精鋭と言ってもいい。
原作に名を残していない小さな戦闘でも、大きく活躍している。
実際に訓練の光景を見れば、シミュレートとはまた違う動きがそこに広がっていた。
隣で見ていた巨漢の少佐――パトリチェフが感嘆の声を漏らした。
「素晴らしいな」
「ええ。でも、スレイヤー少将の艦隊がネックですね」
「逆じゃないか。非常に動きがいいが」
「良すぎるから、周囲と連携が取れなくなってきています。このままではスレイヤー少将の艦隊だけが引きずり込まれて、狙い撃ちされます」
実際に食らいつかれる第八艦隊は苦しそうであるが、それでもシトレ大将の直属部隊という維持か、スレイヤー少将の分艦隊に対して囮を使い、他の艦隊を包囲殲滅する動きに出ている。それを防ごうと他の艦隊が助けに行こうとするが、どうしても練度の不足は否めない。
「他が慣れれば連携は上手くいきそうだが」
「他が慣れたら、スレイヤー少将の艦隊はもっと上手くなっていますよ。とはいえ、わざと動きを周囲に合わせてもらうのも勿体ない気がしますね」
「作戦参謀ではスレイヤー少将の艦隊を先陣として、他の艦隊を一気に動かすそうだ」
「そうなるでしょうね」
「ま、俺たちが気にしても仕方がない。訓練の進捗は予定以上に進んでいる、これ以上望むのは贅沢だ」
よくやったと言わんばかりに、背後を叩かれ、アレスは呻き声を漏らした。
予想以上に力が強い。
ひどいと恨めしげにパトリチェフを見れば、がははと楽しげに笑っていた。
不安を思っていたとしても、こうして目の前で笑われたら大丈夫なのではないかと思えてくる。ヤン・ウェンリーもきっと作戦を考えて、目の前で大丈夫と断言してもらいたかったのだろうなと、アレスは笑いながら首を振った。
なら、大丈夫だと言われるようにしないとな。
+ + +
自由惑星同盟史料編纂室。
過去の戦争の記録をデータとして見られ、また敵の資料を多く備えつけた場所だ。
これほど多くの記録が残っている場所は、ここかハイネセン大学、そしてフリープラネッツ総合図書館の三か所くらいであろう。それでも秘匿データを確認することができるという上で、対戦争に関する記録としてはここが一番だろう。
現在でも対イゼルローン攻略の作戦参謀以外に、多くのものがデータの確認をしている。
訓練が始まって、時間がある程度自由になって、アレスはここに足を運んでいた。
確認するのはイゼルローン要塞のデータだ。
最も、そこに残っているのは戦争時のデータだけであって、イゼルローン要塞に関する詳細なデータはない。
要塞の指令室が分かるようになったのも、ヤンがイゼルローンを攻略してからだ。
現在、自由惑星同盟軍
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