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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第一部 原作以前
序章 シンドゥラ編
第二話 寝台沈思
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いスポーツとも呼べないただの遊びだ。球だって布切れを縫い合わせて丸くしただけのボールとも呼べない代物だし。ただそんなのでもやってると結構夢中になるもんなんだわ。そして熱くなりすぎて、つい足を出したり出されたりして現在の状況に至ったと。
「申し訳ないですが一応医者に診てもらおうかと思います。兄上とは違い卑しい奴隷女が母親とは言え、王族の端くれですし。今日はこれでお開きと言う事にしてはどうかと」
「ふん、大げさな!…だが一理あるか。おい、間違っても俺がやったなどと人に言うなよ!皆、今日はこれでおしまいだ。撤収だ、撤収しろ!」
そうやって帰って行く兄を見送った後、俺はサリーマに医者を呼んでもらって診察(とは言っても気休め程度のものだったけどね)を受け、乳母のカルナと乳兄妹のラクシュに迎えに来てもらった上で自分の屋敷に帰った。
その夜、寝台の上で考えた。俺が今回こうしてラジェンドラに転生したことにどんな意味があるだろうかと。
正直言えば、何でパルスに転生させて貰えなかったんだろうとの不満もある。主人公たちとの接点が少なくなってしまうではないか。確かにパルスの興亡に巻き込まれずに天寿を全うすることが出来るかもしれないけど、良くも悪くも事件の少ない平和な一生を自分だけ送ってどうすると言うのだ。
いや、別に俺が本来のラジェンドラの人生をなぞる必要も無いだろう。それでは良しとしない神様が俺をこうして転生させたのだろうから、その熱い期待に俺は応えるべきだろうし。
俺の兄は銀河英雄伝説を小説、コミック、アニメ、ゲームと全メディア制覇するほどハマってたし、田中芳樹先生の他の作品もかなり読み込んでいた。その影響を俺も多大に受けて、少なくともアルスラーン戦記の第一部は貪る程に読み込んだ。
そんな中で常々思っていたのが、
シンドゥラ遠征のあの3ヶ月が無ければなあって事だった。
その分のタイムロスが無ければ、もっと迅速に王都を奪還出来ていた。その圧倒的な武勲を背景にアンドラゴラス王やヒルメスを黙らせることが出来たかもしれないし、ルシタニア軍の駆逐はアンドラゴラス王やヒルメスに任せて、アルスラーン達はザッハーク一党の根絶に専念してもよかったはず。
それが出来なかったが為に第二部に大いなる禍根を残してしまったと言わざるを得ない。
だけど、俺が今ここに居る事で、様々な事が変わってくる。
俺が原作開始前に兄ガーデーヴィを打倒し、三年間の和平を申し出れば、信用してもらえるなら、3ヶ月のタイムロスは無くなる。
ガーデーヴィ打倒の際に戦象部隊を損ねないように温存しておけば、トゥラーンに「同盟国パルスに侵攻するならシンドゥラにとっても敵。戦象部隊をぶつけてやろうと思うがいいのか?」と脅してパルス侵攻を止める事も出来る。
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