第六話〜眠りの者〜
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後
「え、、、と。一回まとめると。」
柿崎めぐはnのフィールドに生きていた(漂っていた?)
紫苑さんは彼女と出会った
その後、不思議な声が聞こえて
翠星石たちとの話の結果、それが『心の声』であるという結論になった。」
「うん、そういうことだね。」
「うーーん、、、。」
力を与えられる、というのは何か意味があるはずなのだ。マイスターローゼンの役割を得た僕のように。紫苑さんが柿崎さんに出会ったのがnのフィールドで、そこで力を得たのだとしたら少なからずお父様、ローゼンの意思があるはず。今はほとんどが僕の管理下(実際はそう言えるほど大層なものではないが)にあるnのフィールドだけど、元の所有者である彼が動いたとしてもおかしくない。
悩んでいる僕に痺れを切らしたのか、翠星石が口を開いた。
「とにかく!紫苑なら、聴けるかもしれないですよ!」
「ん?どういうことだ?」
「あぁ!変に鈍いやつですぅ!真紅ですよ、真紅!」
「あ!」
考えなかった!確かに、それはできるかもしれない。
期待が高まっていったが、少し冷静に考えた。真紅は今、nのフィールドにいる。彼女の心に触れようと、扉を探し回ったけど見つからない。やはり彼女の心は今は無い、というのがその時の結論だったのだ。だが、もし紫苑さんの力が、特別なものだとしたら、真紅の心に触れられるかもしれない。
「、、、やってみる価値はあるか。」
「です!」
「紫苑さんはいいんですか?」
「協力するって言ったじゃないか。今更何を断るのさ。できるかわからないけどね、やれるだけやってみるよ。」
「ありがとうございます!」
「それに、、、。」
「?」
「ふふ、何でもないよ。さ、真紅ちゃんのところへ連れて行ってよ。」
暗闇を手探りなぼくにとって彼は光だった。真紅の心がわかれば、何かローザミスティカのヒントが得られるかもしれない。もちろん、できない可能性もあるが、、、。
期待と不安の中、僕達は真紅の眠るローゼンのアトリエへ向かった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ふと、目が覚めた。この時間に起きることは滅多にと言っていいほどなかったのだが。
早起きなマスターの所為で体内の生活時計が狂ってしまったのだろうか。機械のような自分の身体なら文字通りだな、と少しの笑みがこぼれた。と、自分はこんな簡単に笑えたのだっけ。彼がマスターになってから、調子が狂うことが多くなった。
樢玖島 紫苑、今まで出会ったどの人間より、わからないことの多い人間だ。その感覚はめぐに似ている。マスターになる人間とドールは何処か引かれあっているということから考えれば当然と言えるかもしれない。だけどめぐと違うのは彼女以上に実体が掴め
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ