284部分:第二十一話 見てしまったものその一
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第二十一話 見てしまったものその一
見てしまったもの
どのクラスも泊りがけだった。夜まで準備をしてだ。その夜はだ。
「コンビニあってよかったよな」
「そうだよな」
「ポットもな」
皆コンビニ弁当やパン、若しくはカップラーメンといったものを食べている。それを夜食としてそのうえでそれぞれ集まって話をしている。
「そういうのがないとな」
「泊まりってな」
「ああ。難しいよな」
「学校じゃな」
こんな話をしながら食べて話をしていた。そして。
見ればだ。彼等が口にしているのは他にもあった。それは。
「で、これな」
「サイダーな」
「流石に酒はまずいからな」
「いいよな」
こう話してだった。そうしたものを飲んでいた。
その他にはコーラもある。それもだ。
「コーラもあるしな」
「まあこういうの飲むのもいいよな」
「酒がないのは残念だけれどな」
「それは言わない約束でな」
「やっぱりな」
こんな話をしながら飲み食いをしていた。そうしてだ。
椎名もその中にいてだ。赤瀬に言っていた。
「ねえ」
「何?」
「その量でいける?」
自分の傍で食べている彼を見ながらの言葉だった。
「それだけで」
「それだけって言うけれど」
見れだ。彼の食べている量はだ。
「食パン三斤だけれど」
「それとおかずもあるわよね」
「うん、フライドチキン」
まずはそれだった。
「それとサラダね」
「それだけあればいける?」
「いけるよ」
こう椎名に答えていた。
「だから安心して」
「わかった。それじゃあ」
「これでいけるから」
そうしてその食パンを食べていく。それを見ながらだ。椎名は言った。
「食べ物はまだあるから」
「あるんだ」
「そう、かなりある」
あるというのである。
「足りなくなっても安心して」
「悪いね、いつも」
「気にしなくていい」
いつものぽつりとした調子で話す。
「全然」
「そういえば椎名さんは」
「これ」
言いながら赤瀬に今自分が手に持っているそのお握りを魅せる。それはだった。海苔に包まれていて黒光を見せているのだった。
「これがあるから」
「お握り好きだよね」
「うん、好き」
また答える椎名だった。
「パンも好きだけれどお握りはもっと好き」
「そうだよね。椎名さんってやっぱりお握りだよね」
「お握りは神様の恵みもの」
椎名は言った。
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