機動戦士ガンダム
2108話
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は何も言えなくなったのか黙り込む。
いやまぁ、ヴェルナーの性格を考えれば、もし俺があのデブリ帯をどうにか出来るだけの腕がなければ、シーマに逆らってでも俺を止めていただろう。
俺の外見が10代半ばと小さいからか、何だかんだと面倒見は良いし。
ヴェルナーに言わせれば、漁師をやっていた爺さんが子供の面倒は見るように言っていたとか何とか、そういう事らしいのだが。
『頑張りな』
シーマの機嫌が良いのは、やっぱり時の指輪の効果を得られる受信機で、不老になったからだろうな。
後でハモンやセイラにも渡した方がいいのか?
あー……でもセイラはまだ17歳だし、20歳くらいまでは成長した方が、ルナ・ジオンの女王として貫禄が出来るような気がしないでもない。
女らしい女と、まだ少女の女王……どっちの方が人気が出るんだろうな。
そんな風に考えつつ、俺はFS型のスラスターを全開にしてデブリ帯に向かって突っ込んでいく。
大小様々な岩塊が密集しているその場所は、本来ならこの速度で突っ込むような真似をするのは、自殺行為以外のなにものでもない。
だが、俺は機体の各所にあるスラスターとAMBAC――手足を振った反動で機体制御をする――機能を使って、デブリ帯に突入する。
次々に目の前にスペースデブリの岩塊が姿を現すが、特にぶつかるような事はなく、縫うようにしてその間を潜り抜けていく。
機体の反応が鈍いのは、もうそういうものだと判断して動かすしかない。
と、不意に前方にMSの数倍はあろうかという大きさの岩塊が姿を現した。
その岩塊の下を潜り抜けるようにして移動し、次に姿を現したのはMSの手くらいのサイズを持つ無数の岩塊。
それらの岩塊にも当たらないようにしながら潜り抜け……やがて1分程もしないうちに、デブリ帯を突き抜ける事に成功する。
若干推進剤を使ったが……まぁ、このくらいなら許容範囲だろう。
ただ、この時点で推進剤を使いすぎたという事は、もっと頑張ればより節約が可能になるという事だ。
シャドウミラーの機体では考える必要もない事だけに、MSを操縦する上ではまだ結構技量の上昇が見込めるという事か。
そんな風に思いつつ、俺はデブリ帯を抜けた場所で待っており……やがて、地球に向かう艦隊が姿を現す。
『お見事』
開口一番そう言ってきたのは、当然ながらシーマ。
愉快そうに笑みを浮かべながら、俺に向かって言葉を続ける。
『こうして見たところ、機体に傷1つ付いている様子もないね。つまり、無傷であのデブリ帯を抜けたという事だ。こうなれば、取りあえずエンデュミオンの鷹という異名を自称しても、特におかしくはないだろうね』
「そうか? 結局のところ、デブリ帯を抜けただけだろ? 実際に連邦軍と戦った訳じゃないんだ
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