暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
夏だ!暑いぞ!冷麺だ!
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前はそう言う奴だったな腹黒眼鏡。

「ちゃっかりしてやがるぜ、ったく」

「その位でないとココじゃやってけませんからね」

「あぁそうかい」

 どや顔すんな、クソッタレが。んじゃま、手早く作っちまうか。執務室をいつものカウンターバーセットに変えて、寸胴鍋に湯を沸かす。貰い物の盛岡冷麺セットから麺を取り出して湯がく。その間に具材の準備をしておき、スープを水で溶いて冷蔵庫で冷やしておく。麺が茹で上がったら流水できっちりと〆て、水気を切り、丼に入れたらスープをかける。具材を乗せて、仕上げにゴマを振れば……

「出来たぞ〜……って、うぉ!?お前らいつの間に」

 そこには、箸を持って準備万端整えた第六駆逐隊と大淀がスタンバイしていた。

「えへへ……待ちきれなかったのよ!」

「なのです!」

 はぁ……ウチの連中らしいというか、何というか。まぁいいか。

「ほらよ、冷麺お待ち」

 出した途端に喜んでがっつくかと思いきや、4人とも器を凝視したまま固まっている。ズルズルと美味そうに啜っているのは大淀だけだ。

「ん、どした?」

「……司令官、これ冷麺なのよね?」

 怪訝な顔つきで、雷が尋ねてくる。

「そうだが?俺の故郷……からはちと遠いが、同じ県内の名物・盛岡冷麺だ」

「テレビでやってた冷麺と全然違うのです」

 な、ナンダッテー!?(棒読み)




「やっぱり!?何か麺が黄色いし、果物乗ってるし、変だと思ったのよ!」

 と、暁が続く。麺が黄色い?いや、冷麺の麺は黄色いモンだろ?

「これは妙だね……」

 ヴェールヌイこと響も首を傾げている。う〜ん、麺が黄色くない冷麺なぁ……。あ、もしかして?

「なぁお前ら、その冷麺を紹介してたテレビ番組って、もしかして温泉がメインの番組じゃなかったか?」

「え?そうなのです、それがどうかしたのですか?」

 成る程、謎が解けたぜ。

「そりゃお前、盛岡冷麺じゃなくて別府冷麺だな。同じ朝鮮半島の冷麺を元にした料理だが、中身は全くの別物だ」

 実は九州有数の温泉の街・別府にも名物の冷麺がある。しかし、同じく『冷麺』の名を冠していても、盛岡冷麺と別府冷麺は全く別物の料理と言っていい。

《盛岡冷麺の特徴》

・麺の主原料は小麦粉と片栗粉(ジャガイモ澱粉)

・練った生地を切るのではなく押し出し器で麺にするので、その過程で高温になり、独特のツルツルシコシコ食感になる。

・スープは牛骨ベース。

・定番のトッピングはチャーシュー、塩揉みしたキュウリ(輪切り)、大根のキムチ(カクテキ)、ゴマ。

・口直しに水気の多い果物が乗る。(スイカ、梨など)



《別府冷麺の特徴》


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