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NARUTO日向ネジ短篇
【月影し日向かう一族】
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『自害ニヨッテ額ノ呪印ヲ発動サセ、白眼ノ能力ヲ封ジヨウトイウノダロウ日向ノ分家ヨ。ソウシタ所デ、代ワリニ宗家ノ娘ノ白眼ヲ抜キ取ルマデダ』

「……宗家の白眼の方が元より価値があるはず。何故、分家の俺なのだ」

『白眼ノ祖、ハムラノ血ヲ最モ色濃ク受ケ継ギシ者ダカラダ』

「フン……何の事だか知らんが下らん」

 ネジは吐き捨てるように言う。

「分家の俺の眼で良ければくれてやる。──だがハナビ様には手を出すな」

(ネジ兄……様……?)

 従兄の声にハナビは微かに意識を戻すが、すぐにまた意識は失われる。

『イイダロウ、生キタママ眼ヲ抜キ取ラセテモラウ。ダガソノ前ニ、我々ノ元ニ来テモラオウ』





(───?ここは、どこなの……?)

 おぼろげな意識がようやくはっきりしてくると、ハナビは広い部屋のベッドに寝かされている事に気づく。

そして、少し離れたもう一つのベッドには従兄のネジが寝かされていた。

……その目元には包帯がされていて、額の日向の呪印の方は露わになっている。


「ネジ兄様…!?」

「ハナビ、様……? 無事です、か……?」

「その、目元……まさか、白眼を抜き取られて…っ」

 ハナビの呼び掛けに反応したネジは、僅かに身じろいで掠れた声で話す。

「生きたまま、白眼を抜き取られれば……日向の呪印は、発動しない……。それを知った上で、その後は抜け殻同然の俺は不要なはず……。何故、生かされているのかが判らない……。チャクラを宿した手刀で……、自らの首を切り自害を図ろうとしたが……、ハナビ様の眼が抉り取られるくらいなら……自らの眼を差し出すべきだと思い……」


「やだ、ダメだよそんな…っ。私、ネジ兄様まで失いたくない…! 生きてくれていて、本当に良かった……。兄様の眼なら、私が取り戻すから…!」

「駄目だ……ハナビ、様。救出班が来てくれるまでは、大人しく──」


「日向の姫よ、お目覚めかな?」

「……何ですって?」

 そこに一人の青年がやって来た為、ハナビは白眼を発動させキッと睨みつける。

「我は大筒木トネリ。純度の高い白眼を持つ従兄妹のそなた達を月に招かせてもらった」

「あんたその眼……まさかネジ兄様の…! 今すぐ返しなさい!!」

「ハナビ、様…ッ」

 重苦しい身体を起こそうとするネジ。

「随分お転婆なお姫様だ……。そなたにはいずれ、子を為してもらわなければならないのだよ」

 柔拳を放とうとした手首を軽々と掴まれるハナビ。

「ふざけないで! 私はそんなことの為の道具になるつもりはないわ」

「我がこの白眼を転生眼へと覚醒させ、そなたの従兄に戻せば……、額に刻まれし呪印も
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