【月影し日向かう一族】
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(──私はこれから供を連れ、里を離れる。暫くは、戻れないかもしれぬ)
(ヒアシ様、私も共に……)
(いや、お前はここに残り、日向家を守ってほしいのだ。私に何かあれば日向を……ハナビを、頼む)
「──?ちょっとネジ兄様、聴いてる?」
「あ……何でしょうか、ハナビ様」
日向家の縁側にて話していたネジとハナビ。
「もう、だから敬語も様付けもやめてって言ってるのに。父上はネジ兄様を日向の跡目に据えたんだよ。私だって兄様が最適だって進言したし……。いくら断ったって、次期日向当主はネジ兄様なんだからね」
「いや……何度も言っているように、ヒナタ…様を守れなかった俺に当主は勤まらない」
「そういう負い目を感じるのもいい加減やめなよ。うずまきナルトを庇って亡くなったのは、姉様の意志でしょう」
「?───」
「日向宗家と分家は、もう対等なの。呪印制度だって大戦後は執行されていないし、ほぼ廃止されているようなものだもの。……日向は変わったの。変わってないのは、ネジ兄様だよ。兄様がそんなんじゃ、姉様も浮かばれないよ」
「…………」
ネジはハナビから目を逸らし俯く。
「それにしても父上、帰りが遅いね。何か大事な用事があってしばらく留守にするって、お供を連れて三日は経つけど……。私には詳しいこと話してくれなかったけど、ネジ兄様には話したんでしょう?」
「いえ……特に何も」
「本当に? ……今日帰って来なければ、さすがに火影に相談した方がいいんじゃないかな」
「そう、ですね」
「はぁ……、ちょっと出掛けてくる」
従兄の素っ気ない態度に嫌気がさし背を向けるハナビ。
「お供します」
「付いて来ないで。……ネジ兄様は私の召使いなんかじゃない」
「…………」
「ヒナタ姉様のお墓に行くだけ。……少し兄様の愚痴を聞いてもらいにね」
──しかしハナビは、夕刻になっても戻っては来なかった。
(……帰りが遅い。やはり、付いて行くべきだったか。ここは、白眼を──)
ネジが日向家の中庭で白眼を発動しようとした時、黒ずくめで仮面を付けた者達に瞬時に取り囲まれる。
(こいつら……いつの間に)
……その内の一人に、気絶した従妹が囚われている。
(ハナビ様…!)
『──サァ、取リ引キトイコウ』
一人のくぐもった声が語り出す。
『オ前ノソノ純度ノ高イ白眼ト引キ換エニ、コノ娘ノ命ノ保証ハシヨウ』
「純度の高い白眼だと……? 何を訳の判らない事を」
(こいつらの目的は、俺の白眼だというのか……? ならば──)
片手で首元にチャクラを纏った自らの手刀を宛てがおうとするネジ
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