機動戦士ガンダム
2107話
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が出来たのなら、こちらとしても文句はない。
「ゲラート少佐。ラル大尉からお預かりしている物があります。どこか人気のない部屋を用意出来ないでしょうか?」
こういう、上に対する言葉遣いも珍しいよな。
あ、でも月光館学園に通っていた時は鳥海に生徒らしい言葉遣いをしていたか。
ともあれ、ゲラートは俺の言葉に頷くのだった。
「ここなら問題ないだろう」
そう言ったのは、チベ級の中にある一室。
正直なところ、この艦隊の所属が突撃機動軍……つまりキシリアの軍という事を考えると、どこに盗聴器やら隠しカメラやらが仕掛けられていてもおかしくはないんだよな。
とはいえ、まさがゲラートがいる前で堂々とスライムを使って調査をする訳にもいかず……そうなると、もしこの光景を映像で記録されていたりしても、問題ないように不振る舞うしかないか。
「ありがとうございます」
「何、気にするな。だが、ラルがお前のような子供の面倒を見ているとはな。……ハモンの方針か?」
ああ、なるほど。シーマの言葉はそういう意味だったのか。
今の俺は10代半ば。
決して子供ではないが、大人でもない……いや、どちらかと言えば子供に近いか?
ともあれ、そんな風に見える俺が悪名高いシーマの海兵隊に所属していると考えれば、普通なら何らかの訳ありと考えてもおかしくはない。
そしてラルに面倒を見て貰っていると考えれば、海兵隊にいてもそんなにおかしな話ではない、か?
ラル隊と海兵隊の面々は、微妙に似ているところがあるしな。
腕利き、仲間との深い絆、周囲から腫れ物扱いされている。……ラル隊の場合は、青い巨星の異名で最後は微妙に違うかもしれないが。
「まぁ、色々と訳ありで」
「だろうな。でなければ、貴官のような若さで海兵隊に所属するなどという事はあるまい。それで、ラルから渡された物とは? これでも今回の降下作戦では色々と忙しくてな。あまり時間を取る訳にはいかんのだ」
ゲラートから視線で促され、俺は軍服のポケットから取り出す振りをしながら、空間倉庫からラルからの映像が入っているディスクを取り出す。
そして映像ディスクをゲラートに渡すために近づいていき……ゲラートがその映像ディスクを受け取った瞬間、更に1歩足を進め、周囲には聞こえないようにゲラートの耳元で小さく呟く。
「アルテイシア・ソム・ダイクン」
「っ!?」
耳元でいきなり呟かれた事にも驚いたようだったが、同時にその呟かれた名前にも驚きの反応を見せる。
ラルから聞いた話によると、ゲラートは別にダイクン派という訳ではない。
だが、同時にザビ家派でもない。
中立だが、どちらかと言えばラルと親交がある事でダイクン派に近い、言わばなんちゃってダイク
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