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空に星が輝く様に
278部分:第二十話 準備の中でその八
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第二十話 準備の中でその八

「あれよね。キャンプファイアーよね」
「ああ、あれね」
「あれがどうかしたの?」
「ひょっとしてダンスのこと?」
「うん、それ」
 まさにそれだというのである。
「ダンスのことだけれどね」
「それね」
「星華ちゃん前も言ってたよね」
「確かそうだったよね」
「そうよ。それでね」
 星華はここでさらに話す。
「いいかしら」
「あっ、わかったわ」
「相手がいてその子に一緒に踊って欲しいから」
「それでなのね」
 三人は笑顔で星華に対して応えたのだった。
「私達に助けて欲しい」
「成程ねえ」
「そういうことね」
 三人は星華をからかうようにしてにんまりと笑って述べてきた。
「星華ちゃんも隅に置けないっていうかね」
「中々やるじゃない」
「ここぞって時に勝負かけるってね」
「そういうわけじゃないけれど」
 星華は弱った顔で三人に言い返す。
「ただ。私も」
「で、相手は?」
「相手誰?」
「何となるわかるけれど」
「その先は言わないでよっ」
 野上が言おうとしたところでだ。他の二人も気付いていると感じ取ってだ。星華は彼女達の言葉をすぐに遮ったのだった。
「御願いだから」
「はいはい、わかったからわかったから」
「そんなに必死にならないの」
「純情なんだから」
「とにかくね」
 星華は顔を赤くさせてまた三人に言った。
「その日その時に一緒にいて」
「えっ、それだけ?」
「それだけでいいの」
「一緒にいるだけで」
「誘う位は自分でするから」
 もじもじとした感じで話す。
「だから。傍にいて欲しいだけだから」
「どうせなら私達から言うのにね」
「そうよね。星華ちゃん照れて仕方ないんだったら」
「それじゃあね」
「だからそれ位は自分で言うわよ」
 また言う星華だった。
「私もそれ位の勇気はあるから」
「偉いっ、よく言った」
 橋口は彼女の今の言葉ににこりと笑ってみせた。
「その意気よ」
「それでこそね」
「私達だってね」
 州脇と野上も橋口に続く。
「助太刀のしがいがあるわ」
「じゃあ傍にね」
「ええ、いて」
 星華は穏やかな笑みになって三人に返した。
「御願いするわね」
「文化祭楽しみになってきたわね」
「確かにね」
「何かとね」
 ここでこんなことも言う三人だった。そうしてだ。
「お化け屋敷も頑張ろう」
「そうね。もうやることは決まってるし」
「準備は一気にやってね」
「あの段取りだとね」
 星華は真面目な顔になって文化祭のことを話した。それまでの照れて真っ赤になってしまっている顔はもう何処にもなかった。
「もうすぐに終わるわ」
「男を何人とか女を何人とかそこまで決めてるしね。その場所にって」
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