暁 〜小説投稿サイト〜
空に星が輝く様に
276部分:第二十話 準備の中でその六
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

第二十話 準備の中でその六

「お陰でこっちもかなり凄いことになりそうだよ」
「喫茶店ですよね」
「そうなんだ。まあできてのお楽しみだよ」
 細かいことはあえて言わなかった。
「一回来てみてくれよ」
「はい、じゃあ陽太郎君も」
「ああ。行かせてもらうよ」
 笑顔で答える陽太郎だった。
「勿論な」
「楽しみに待ってます」
 月美は満面ににこりとした笑みを浮かべて述べた。
「その時を」
「そうだよな。俺もかなり楽しみになってきたよ」
「そうですね。凄い文化祭にしたいですよね」
「最後の最後までな」
「はい。ですから」
「お互い頑張るか」
 二人ほぼ同時に言ったのだった。
「それじゃあな」
「そうですよね。それじゃあ」
「それで最後はさ」
「あれですよね。フォークダンスですよね」
 月美からの言葉であった。
「最後のキャンプファイアーの」
「あれっ、知ってたんだ」
「聞きました」
 それで知ったというのである。
「それで」
「そうだったんだ」
「じゃあそこのフォークダンスを二人で踊って」
「本当にそれで幸せになれるのかな」
 陽太郎はふとその言い伝えについて首を傾げさせて述べた。
「そんなことで」
「いえ、幸せになれますよ」
「なれるのか?それで」
「少なくとも私は幸せになれます」
「月美が?どうしてなんだよ」
「はい、それはですね」
 穏やかで優しい笑みになってだ。そのうえで陽太郎に話す。
「陽太郎君と一緒になれるからです」
「俺と」
「だって陽太郎君と一緒に踊るのですよね」
「そうだよな」
「だったら私幸せです」
 また話す月美だった。
「とても」
「そうか。それじゃあな」
「それじゃあ?」
「俺もだよな」
 陽太郎も微笑んでだ。そのうえで月美に話す。
「俺も月美と一緒になれるんだよな」
「はい、私が陽太郎君と一緒ですから」
「俺も月美と」
 当たり前のことである。しかしである。それでも二人はこのことを確かめ合うのだった。そのことを確かめて自分達の心の中に喜びとして置きたかったからである。だからそうするのだった。
「幸せになれるよな」
「はい、なれます」
「じゃあ文化祭の最後はな」
「フォークダンス。踊りましょう」
「二人でか。そういうのってはじめてだけれど」
「私も。実は」
「やっぱり凄くいいんだろうな」
 陽太郎は微笑んでいた。ここでもだ。
 そして空を見上げる。夜空だ。そこには白い三日月がある。それは白く優しい光で周りの雲を照らし出しそこにあった。
 その白い月を見てだ。陽太郎はまた言った。
「あのさ」
「はい?」
「月って太陽の光を受けて輝いてるんだよな」
「そうですよね」
「だから太陽って凄いって言われるけれ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ