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衛宮士郎の新たなる道
第2話 美女を拾うガクト
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ゃねぇのか?母ちゃん・・・・・・。

 そんな息子の心情など知らず、麗子は笑いを止めて神妙そうな顔をする。

 「ならこの娘は如何したんだろうねぇ?取りあえず警さ」

 こんな処で寝かせるのも何だからと持ち上げようとした時、奇妙な感覚に囚われて一瞬意識が飛んで、そして――――。

 「取りあえず客間に寝かせておくかね。ほら、ガクト!力しか自慢するとこが無いんだから、さっさと優しく運びな」
 「俺が運んじゃっていいのかよ?」

 先程の言葉にと、僅かながらの反撃を試みるガクト。

 「構わないよ。さっきは疑ったけど、アンタにそんな度胸がある訳無いしねぇ」
 「グッ!」

 事実なだけに反論できないガクト。
 悔しそうに顔を下に向けると、そこには自分が運んできた美女の顔がある。

 「それにしても、この人ホントすげー美人だよな。モモ先輩以上じゃねぇか?」


 −Interlude−


 魔力の奔流の発生から時間が経った夕食時、士郎はリザと共に夕食を作っていた。
 その光景は傍目から見れば、まるで夫婦同士で作っている様に見えなくもない。
 実際リザとしては、今この時間を非常に楽しんでいた。
 ただし、その愛する男――――衛宮士郎が顔を顰めたままじゃ無ければ。

 「それじゃあまた、ゴールデンウィーク前や半月前位な事になりそうなんですか?」
 「如何やらその様だな」

 答えたのは見に行った士郎では無く、置いてかれて憤慨しているシーマだ。

 「そう怒るなよ」

 先程までの剣呑さを意識的に隠してから、出来上がった料理を運びながら謝って来た。
 だがその程度でシーマの機嫌が回復する事は無い。

 「別に怒って等おらぬ。我らのマスターの短慮と迂闊すぎる行動は、憤りを通り越して呆れ――――豪胆ぶりに驚嘆しているだけだ・・・!」

 爽やかな美少年的な顔のシーマから、それなりに嫌味含みを持たせた言葉が帰って来た。
 これには自分の責任だが、今すぐには許してもらえなさそうだと話を切り替えることにした。

 「今はそういう事だから、明日帰る時に冬馬達(3人)とも送る」
 「事が落ち着くまで3人とも泊まらせればよいではないか」

 そこへ遅れて入って来たスカサハが提案した。

 「師匠」
 「ネガティブで過保護のお前の事だから、それ位は考えていたのだろう?」
 「それは、まあ・・・・・・。と言うか、ネガティブと過保護は否定したんですが」
 「どの口がそれを言う?一つしか歳が違わない3人を子供の様に扱ってる時点で十分過保護だろう。それにあの件(・・・)まだ気にしているんだろう?」
 「・・・・・・」
 「「「「?」」」」

 図星を突かれて押し黙る士郎。
 
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