第2話 美女を拾うガクト
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クトが紫色の長髪の美女をお姫様抱っこしている姿が見える。
「望み通り恋をしてみろヒトの子よ」
発した言葉は一見まともに聞こえたが、それもここまで。
「ただし、命がけだがな」
込めた感情は恐らく、ド外道の極みだろうが。
−Interlude−
ガクトは見つけた美女を奇跡的に誰にも見つけられずに自宅に帰って来れた。
「母ちゃん、母ちゃん!」
「なんだいなんだい、まだ夕飯の支度なら出来てな」
ガクトの返事に答えながら居間から玄関口に来た島津麗子は停止した。
息子の岳人は未だ靴を履いたままだが焦っているのか必死そうな懇願顔を向けて来る。よく解らないがそれだけならまだ問題ない。
問題なのは自分と我が息子の中間で横たわっているボディコンスーツの美女だ。
如何やら気を失っている様だが、息はある様だとも見ただけで確認できた。
そしてもう一度息子と美女を見てから、
「グァアアァアアアクツォオオオオオオオォオオオオオオオオ!!!」
「ぐぼぉおおおっ!」
「くぅぉおおんのぉおおおおばぁあああっか息子がぁあああああっっ!!!」
「ごへぇええええええっっ!!?」
最初に右頬を勢いよく叩かれ、続いてアッパーカットで顎を殴られるガクト。
しかし息子を殴った本人の麗子は未だに怒り心頭中だ。
「アンタって子はアンタって子は!アタシの息子だから顔は悪くないくせに、無駄に筋肉を増やしてモテると勘違いしたアホで、しょっちゅうナンパを続けてはフラれて帰って来る上に何も学ばない如何しよも無い馬鹿だけど、情に厚い子だと思ってたのに!アンタって奴はアンタって奴はッッ!!」
麗子は如何やら、自分の息子が遂に女性を襲って気を失わせて連れて帰って来たと憤慨している様だ。
だがガクトは当然反論する。
「待ってくれよ母ちゃん!この人橋の下で気絶してたのを連れ帰って来ただけなんだよ!」
「あーーっ!何て子だいっ!この期に及んで無様に言いわけするなんて!何所で育て方間違えたのかねぇ・・・!」
「如何して俺がこの人襲ったなんて決めつけるんだよ!」
「何所にそれを証明する証拠があるんだいっ、せめて根拠位示してみたら如何だい!?」
「俺がそんな事出来る様に見えるのかよっ!」
「えっ、あっ!?確かに無理だ!千兆歩譲って、たとえ彼女が出来ても他に目移りして愛想つかれるか、尻に敷かれるだけしかのヘタレだろうからねアンタは・・・!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
疑った上に殴ってわるかったねぇと笑いながら謝罪してくるが、ガクトは酷く心が寒々しく感じました。
――――容疑が晴れたのはいいけど、一切悩まず即答した上にそこまで言う事は無いんじ
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