272部分:第二十話 準備の中でその二
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第二十話 準備の中でその二
「じゃあ。そうしようかしら」
「あっ、やっぱり好きな人いるんだ」
「そうだったんだ」
「いたのね」
「ま、まあ」
星華は顔を赤らめさせて頬を赤くさせて述べた。
「いないって言ったら嘘になるしね」
「じゃあ誘おうよ」
「文化祭のフォークダンスの日にね」
「一緒に踊ればね」
「わかったわ。じゃあ」
ようやく頷いた星華だった。そうしてであった。
あらためて三人に話すのであった。
「その日、勝負かけるから」
「よし、じゃあね」
「その日覚悟決めてね」
「意中の相手誘おう」
「そうするわ」
あらためて三人の言葉に頷いた。彼女はこんな話をしていた。
そして陽太郎もだ。同じ話を狭山と津島から聞いていた。
「フォークダンスの時から」
「ああ、好きな相手と踊ったらな」
「そのカップルは一年幸せになれるのよ」
二人はにこにこと笑って自分の席にいる陽太郎に話していた。
「で、俺は不本意だけれどな」
「不本意は余計よ」
「痛ててて、何するんだよ」
津島は狭山の今の言葉にむっとした顔になって耳をつねった。狭山は耳の方に顔をやって実際に痛そうな顔をしている。
「いきなりよ」
「耳つねってんのよ」
「わかったよ、じゃあ不本意じゃねえからよ」
「宜しい」
その言葉で耳から手を離した津島だった。そのうえでまた陽太郎に話すのであった。
「だからあんたもどうなのよ」
「月美とか」
「そうよ、そうしたら?」
こう彼に提案するのであった。
「幸せになりたいだろ」
「だからよ」
「そうだな」
そう言われてだ。陽太郎も言う。
「じゃあ」
「ああ、それじゃあな」
「そうするのね」
「しかしそんな話があったのかよ」
陽太郎はその話を聞いてだ。首を傾げさせながら話す。
「文化祭に」
「ああ、俺達もはじめて聞いたけれどな」
「そういう話があるから」
また陽太郎に話す二人だった。
「それじゃあそっちも幸せになりなよ」
「私達もそうなるから」
「幸せか」
陽太郎はその言葉を心に留めてだ。考える顔になった。
「幸せにならないと駄目だよな、やっぱり」
「当たり前だろ、人間ってその為に生きてるからな」
「憲法にも書いてあるじゃない」
こんなことも言う二人だった。
「だからだよ。御前も西堀さんもな」
「幸せになりなさい」
「わかったよ」
陽太郎も二人のその言葉に頷いた。
「それじゃあ。フォークダンスだな」
「完全に掴めよ」
「西堀さんをね」
「ああ、わかってるさ」
陽太郎はまた頷いてみせた。
「彼氏と彼女だしな」
「そうするといい」
いきなり椎名の声が来た。
「というかそうしないと」
「しないと?」
「殺す」
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