猫娘と期末試験編
NO.063 お買い物に来ていく服は……?
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よ出久ぅ!」
そこには白色と黒色のコントラストが映えるノースリーブの上着に、下は黄緑色の足首あたりまで隠れているスカート(猫娘使用の尻尾穴完備)。
そして薄い水色の羽織をさらに着てさわやかさをプラスする感じ。
靴は動きやすさを重点に置いたソックス。
これで決まりだ!と言わんばかりの引子自慢のコーディネートである。
「うんうん! やっぱり似合ってるよ! 女の子がもし生まれていたらこういう格好をさせたかったのよねー。夢が叶ったわ」
「そ、そうなんだ……」
少しだけ引いている出久は、ふと時計に目をやると、
「あっ! そろそろ予定の時間になっちゃう!?」
「そう。それじゃ行ってらっしゃい」
「うー……もう着替える時間もないしこれで行くしかないかー……それじゃ行ってきます!」
「はいはい」
出久を見送った引子は遠ざかっていく出久の後姿を見ながら、ふと思う。
出久が自身の体に起きた異変を全部話してくれた時のことを……。
引子はそれはもう泣きに泣いた。
下手をしたらかなりの先の未来にまで生きなければいけない出久の将来について……。
そしてそれをもう当然のように受け入れてしまっていた出久に何も言えなくなった自身があまりに無力で情けなくて……。
だから、もうそんな出久の前で情けない姿を見せられないという気持ちで引子はまずはダイエットを始めていた。
出久が無個性と診断されてから以降、ストレスで過食症になって太りに太ってしまったから昔の体系に戻すのには根気がいるであろうが、それでも出久に自慢されるような母の姿でいたいという一種の願望を抱いた引子。
それを海外で働いている父・久にも海外電話で相談して出久のためにできることはしていこうという取り決めがなされた。
親は誰しも子供のために出来ることはしたいのである。
それが個性で苦しむことになるなら尚更である。
「(だけど、自己犠牲だけはやめてよね。出久……?)」
引子は出久の個性の内容を聞いて、傷はいくら負ってもすぐに治ると分かってから、いつどこで無茶をしないかで気が気でなかった。
ヒーローになるためには傷は付き物だが、それでも無事に帰ってきてほしい……。
この家にはいつでも帰ってこれるんだから……ここが心安らいで出久の帰ってこれる“場所”なんだから……。
引子はただただ、そう思った。
お茶子たちはもうすでに所定の場所へと合流していた。
ただ、まだ出久だけが到着していないのだが、
「緑谷君はまだきていないようだね」
「そうなんよ。飯田君は何か聞いてる?」
「いいや、何も聞いてはいない」
「あの緑谷に限って時間に遅れるってことはないだろうけどなー」
お茶子と飯田の会話を聞いて、峰田がそう言葉をこぼす。
「
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