『ウィス』という存在
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魂を、そして"存在"そのものさえも。」
「相手が幽霊だろうと何だろうと『破壊』します。」
そこに一つの例外も存在しない。
「無論、あの蠅は如何なる手段による蘇生も不可能です。」
「『破壊』された存在は宗教によって解釈は多岐に渡りますが、天国や地獄、来世にも行けず、輪廻転生の輪にも組み込まれることなく、その"存在"そのものを『破壊』されます。勿論、霊と化すこともありません。」
ただひたすらに"存在"を破壊する。
それが『破壊』の能力だ。
この力の真に怖ろしい能力はその"存在"の『破壊』が平行世界にまで及ぶことである。
「因みに赤龍帝のオーラは異性を魅了すると聞き及んでいるので、私がいつも『破壊』しています。」
赤龍帝の籠手の魅了効果や効果範囲が現状では不明だが、『破壊』しておくことに越したことはない。
ウィス自身、異性の魅了に良い思い出など存在しないのだから。
「また赤龍帝の籠手の中に眠るドライグ曰く、『対価、つまり代償を支払えば更なる力を得ることができる』と聞きましたが、それを行うことは一誠には禁じていますね。」
「……それは何故?」
純粋な疑問の声をゼノヴィアは上げる。
戦力が『代償』の一つで飛躍的に上昇するならば儲けものだと思うのだが。
「何故か?簡単なことですよ。それで得られる力などたかが知れているからです。」
更なる力とは禁手ないしはそれに匹敵する力のことだろう。
「そもそも大前提からして間違っています。」
「『代償』とは身に余る絶大なる力を行使することを条件に生命の危機に至り、絶大な反動を背負うことを意味します。しかし、あのドライグが提示する『代償』とはドライグ自身が生き延びることを前提に力を引き出すのですから、一誠という種族的にも下に当たる器を媒体にしている時点で引き出すことができる力など底が知れています。」
「現状の一誠は漸く禁手に耐えうる器になった程度。アザゼルが与えた補助道具の恩恵を受けたとしても現状の一誠では耐えられないでしょう。」
ウィスは否定的な姿勢で赤龍帝の籠手《ブーステッド・ギア》のドライグの言葉を非難する。
ゼノヴィアはウィスの言葉に納得しながらアイスを舐めるのであった。
「前から思っていたのだがウィスさんは人一倍アザゼルに対しての対応が冷たいな。」
「逆に聞きますが友好的に接する理由がありますか?」
ウィスの瞳はただひたすらに冷たい。
その圧力に押され、ゼノヴィアは無意識に冷や汗を流してしまう。
「これまでに多くの神器所有者達を殺め、危険分子になり得るという理由だけで人々を手にかける
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