『ウィス』という存在
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い。」
ウィスは攻める、攻める。
彼女が気にしていることを裸足で踏み入り、愉しむ。
「『いや、彼女からはまだ僅かに信仰の匂いがする。』」
一字一句間違えることなく、決め顔で。
これ以上ない真剣さを浮かべながら。
「『私は信仰の匂いには人一番敏感でね。』でしたか?」
主の名の下、断罪、断罪ィ!
ウィスは終始笑顔である。
「言わないでくれ、あの時の私を指摘しないでくれ。」
ゼノヴィアは顔を赤く染め、クレープに噛り付く。
まだだ、まだ終わらんよ。
「終いには私を天使と称え、平身低頭ですからね。」
ゼノヴィアに大ダメージ!
効果は抜群だ!
「まあ、主も死んでいましたし、貴方達は傀儡と言っても過言ではない状態でした。」
「加えて、上層部はその事実を隠蔽してまで貴方とイリナさんを派遣させていたいう事実、はらわたが煮えくり返る思いではないのですか?」
ウィスが彼女の立場ならば上層部を軒並み血に染め上げている。
血祭りにした後は、全裸の状態で信者達の前に吊し上げの刑だ。
「……参考程度に聞くが、もし仮に主が存命していた場合、ウィスさんはどうしてたんだ?」
「面白い質問をしますね。決まっているでしょう?」
「ヒェ……。」
途端、真顔と化すウィス。
クレープの包みが砂と化し、掌からこぼれ落ちる。
軽いホラーである。
「先ず、死なない程度に痛めつけ、天界から引きずり下ろした後は、信者達の前で吊し上げます。」
手始めに自尊心、信仰心を粉々に打ち砕く。
ぶち殺し確定である。
「次に神器のシステムを停止させ、行き過ぎた狂信者と実験を廃します。」
実際に過去にウィスは聖剣計画と呼ばれる計画を潰している。
「そして最後に許すと見せかけて神を『破壊』します。」
許すと言ったな、それは嘘だ。
「……。」
怖い、ただひたすらに容赦がない。
ゼノヴィアは戦慄する他ない。
「……因みに神を廃した経験は?」
「ある女性の人生を呪いで滅茶苦茶にしたとある女神をボロ雑巾にしたことがありますね。」
「他にはとある主神を消滅寸前にまで痛み付けたことも多々あります。」
本当に神とは真面な奴がいない。
「聖書の神が死んだと聞き及んだ時の気持ちは?」
「正直、ざまぁと思いましたね。」
ざまぁない。
飯ウマであった。
「……では最後にシャルバ・ベルゼブブに遣っていた『破壊』とは何なんだ?」
ゼノヴィアの最後の質問。
「ああ、あの蠅ならこの世界から完全に消滅しましたよ。」
「あの力は"存在"そのものを『破壊』するものです。精神も
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