『ウィス』という存在
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な理由はそれしか考えられない。
小猫は人知れず的確な答えを突いていた。
途端、オカルト研究部内に眩い極光が迸る。
大気を震撼させ、その光の本流は室内を幻想的に照らし出した。
『……!?』
圧倒的な存在感が室内を支配し、リアス達はその場に凍り付く。
ただ一人、アザゼルは冷や汗を流しながらも身構えていた。
光の本流が大気を流れ、周囲へとその力を波及させる。
室内は荒れ狂い、その極光の中から姿を見せるは……
▽△▽△▽△▽△
商店街は人々が行き交い、潤う。
周囲には学生や主婦の姿が。
「あの、大丈夫なのだろうか?」
ゼノヴィアは一人ぼそりと呟く。
「何がですか?」
「リアス部長に何も言うことなく、部活を欠席してしまって……。」
ゼノヴィア、彼女は現在ウィスに連れられ街に繰り出していた。
本日の授業が終わり、ウィスが強制的にゼノヴィアの腕を引っ張り、引きずってきたと言った方が正しいが。
「大丈夫ですよ、一誠に言伝を預けましたから。」
クレープを口に運びながらウィスは彼女の悩みを一掃する。
肩には同じくオーフィスがクレープを口に運びながら跨り、隣には人の姿に戻った黒歌が佇んでいる。
今日の黒歌は清楚なワンピースにその魅惑的な肢体を包み、周囲の男性の目を釘付けにしている。
「まあまあ、そんなことよりも今日は楽しみましょう、ゼノヴィアさん。」
「いや、そうは言っても……むぐ!?」
口に広がるはクレープのまろやかな味。
ゼノヴィアの語りは途中で止められてしまった。
「貴方は変な所で拘りますね。」
「いやそうは言っても……」
モグモグ、ゼノヴィアの口が止まることはない。
予想以上にクレープが美味しかった。
「初めて出会ったあの脳筋な貴方は何処にいったのですか?」
「ウィスさんは私のことをそう思っていたのか……。」
嘆息するしかないゼノヴィア。
「因みにイリナのことはどう思っていたんだ?」
「アホの子ですね。」
彼女からはあの冥界の女主人と同じ匂いがする。
決して彼女がイリナと同じくアホというわけではないが、どこか残念な美人の匂いがするのだ。
「きっと目を離せば騙されてお金を騙し取られてますね、あの子は。」
「すまない。実はオカルト研究部に辿り着く前に既にイリナはお金を騙し取られているんだ。」
すまない、本当にすまない。
ゼノヴィアは悲しげに懺悔する。
「主の名の下『断罪、断罪ィ!』。……これでは脳筋と言われても仕方ないと思いますが?」
「うぐ、そう言われると返す言葉もな
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