『ウィス』という存在
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命を狙われることになります。」
それが世界の摂理。
否、ハーフという存在自体が許されないのだ。
「先ず母が下手人達の攻撃に倒れ、最後に私が狙われました。」
「その時です。ウィスが眩いまでの光と共に現れたのは。」
その光景を姫島朱乃は生涯忘れない。
「宙に突如現れた光の粒子が徐々に人の形を創り出し、『ウィス』が地上に降り立ったのです。」
死に瀕した状況であったにも関わらず、姫島朱乃は見惚れた。
『ウィス』の存在そのものに。
「不思議な感覚でした。彼がその場に現れた瞬間、安心し切っている自分に気付いたからです。」
もう大丈夫、彼が母と自分を助けてくれると。
「後はあっという間の出来事でした。ウィスが下手人達をいとも簡単に消滅させることになります。」
ドーム状の力で閉じ込められた下手人達は、強制的に圧縮、圧縮ゥ!されることでその姿を消滅させた。
割とエグイ技である。
まあ、同情など一ミリもしないが。
あの時、ウィスは顔を伏し、掌を見詰めながら呟いていたことを朱乃は思い出す。
5割と、確かにウィスは呟いていた。
その言葉にはどういった意味が込められていたのか。
依然として謎だ。
下手人達を5割の力で倒したという意味ではないだろう。
何しろウィスにとって旧魔王の悪魔も虫けらに等しかったのだから。
「お前ら、興味深いことを話してるな。」
オカルト研究部の室内に突如、アザゼルの声が響く。
「アザゼル、貴方いつの間に……。」
それもノックもせずに。
「悪いが勝手に聞かせてもらったぜ、お前らの会話を。」
アザゼルは悪びれる様子もなく謝罪する。
「話を戻すが、その時のウィスは何らかの理由でそこの姫島の嬢ちゃんの前に転移してきたと俺は考えている。」
リアス達の非難の目を無視し、アザゼルは言葉を続ける。
「俺の方もリアスと同じように『ウィス』という存在を調べたが、成果はなかったな。」
「俺自身『ウィス』という奴の存在の噂を聞いたこともないし、ましてや会ったこともない。」
それは妙な話だ。
悠久に等しい時を生きている自分が一度たりとてウィスという存在を知らないとは。
「だが聞くところによるとウィスは4000年近く生きているんだろう?」
「だったら答えは簡単だ。」
「『ウィス』はこの惑星上の存在ではなく、宇宙の神話体系の天使だということだ。」
リアス達の驚きを他所に、小猫はぼそりと呟く。
「……単純にウィスさんに意中の女性がいるからでは?」
ウィスが朱乃のアプローチに無反応
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