ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
19話 処置
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そんな階段も終わりを迎え、目の前には大きな扉が現れた。迷いなくツカサはその扉をノックする。
「はいりたまえ」
という彼の声を聴いてから、ツカサはその扉を押し開けた。
奥の壁はすべてガラス張りで、晴れの日には恐らく日が入って気持ちがよいのだろうが、今はあいにくの曇天で、暗い雰囲気でしかない。
その窓に背を向けるようにして、こちらに向かって座っている男。彼こそがユニークスキル“神聖剣”の使い手、血盟騎士団団長、ヒースクリフである。
「やあ、ご足労すまないね」
「いや、それは別にいい」
ツカサはねぎらいの言葉を冷たくバッサリと切り捨てる。なぜなら、“彼の本当の姿を知っているから”。
しかし、彼はツカサの様子に気に障ったそぶりも一切見せない。ツカサはまっすぐ歩き、彼の目の前に立つ。
180近い身長と、がっちりとしたその体躯は、ツカサのかなりほっそりしたそれを大きく上回るが、今はツカサが見下ろす格好になっている。
「それで?前置きはいい。要件はなんだ」
「君はすでに分かっているはずではないか?」
質問に質問で返す彼に、ツカサはいら立ちを隠さない。あからさまにヒースクリフをにらみつける。
「…リアのことか」
「そうだ」
彼は簡潔にそう言うと、前かがみになり、テーブルの上で手を組み合わせた。
「私はあの場にいなかったせいで、その時の状況はよくわからないが、彼女はずいぶん攻略組たちを怖がらせたようだね」
「……」
「…攻略組たちは、彼女の一か月前線に立ち入り禁止と、攻略組との接触を禁じることを望んでいる」
「ッ!?おい、どういうことだ、ヒースクリフ!」
彼の言葉に、沸点が低くなっていたツカサが声を高くした。
「別に私がそれを望んでいるわけではない。あくまで攻略組が望んでいるのだ」
「俺が聞きたいのはそういうことじゃない」
触れれば切れてしまいそうなほどのツカサの鋭い視線は、真っすぐヒースクリフを射抜いている。
「確かに、リアはラフコフメンバーを殺した。だが、それは皆が殺すこともあるかもしれないという合意の下で参加し、自分だって殺すかもしれなかったんだ。それがただリアに変わっただけのことのはずだ」
「だが、報告によれば、彼女は殺しを楽しんでいるようだったと」
「っ…」
ツカサは押し黙った。
そう、そこがネックなのだ。別にその行為自体は、今回の場合咎められるものではない。だが、問題はその時の彼女の様子である。
リアは躊躇なく…いや、むしろその唇には笑みさえ浮かべて殺
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