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ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
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2章 生き様
18話 狂気
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りとその身を散らす。桜のようにポリゴンたちはリアの周りを取り巻き、あまりにもその様子は幻想的であった。


 だが、行われている行為はそうもいかない。



 
 止まるという言葉を知らないように、リアは殺し続け、すでにレッドプレイヤー全員を葬る勢いだった。



「リア!もういい!もういいから!」



 ツカサは声を上げるが、彼女が止まることはなかった。

 

 その桜色の唇に、狂ったような笑みが浮かぶ。






「アスナ!攻略組を全員下がらせろ!早く!」

「わ、わかった!」



 彼女の変貌に慄いている攻略組たちを、アスナは声をかけて下がらせる。その中にはキリトの姿もあった。




「ツカサ!」
「キリト!お前も早く外に出ろ!今ここにいるのは危険だ!」




 そう叫んだあと、ツカサはリアの目の前に飛び込んだ。



「リア!いい加減目を覚めせ!リア!」


 だが、なんとリアはツカサにさえもその刃を向けたのだ。真っすぐ剣を引き、ツカサの体にそれを突き立てようとして、剣が光を帯びる。











 まさかの予想外の行動に、ツカサは動けなかった。そもそも、攻撃されるということが頭になかったため、ヴェンデッタは構えてない。


 
 だが、不思議と恐怖はなかった。息を浅く吸い、そっと呼びかける。


「リア」


 喉元へと真っすぐ伸びた刃は、その言葉をツカサが紡いだ瞬間、まるで何かの障壁に阻まれたかのように、ぴたりと止まる。


 先ほどまで狂気の光をたたえていた瞳は、今は大きく見開かれ、瞳孔が小刻みに揺れていた。






 ツカサは、そっと右手を伸ばし、その頬を包み込む。そのままその手を背中に回し、リアの体を抱き寄せた。すでに彼女の腕からは力が抜け、剣は降ろされている。



「リア。もういい。いいから。誰も殺さなくていいんだ」


 赤子をあやすように、低いトーンで、ゆっくりと耳元にささやく。




 何回か繰り返すと、リアの体からふっと力が抜け、その全体重がツカサの腕にかかる。恐らく、気を失ったのだろう。


 




 ツカサは安堵のため息を吐くと、リアの膝下に手を入れ、横抱きに抱えた。AGIよりのツカサでも、金属装備をほとんどつけていないリアなら抱えるぐらいできる。





 が、その時だった。



「Wowwowwow…こりゃやってくれたな、オイ」





 なじみ深い美声。流暢な英語。聞き間違えるはずはない。


「…兄さん」


 黒いポンチョにフードをか
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