ストライクウィッチーズ 砂漠の国から来た傭兵
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、国王に任命されたら、真っ先に外国資本を導入して、アスランを改革しようと考えていた。
だが、私のお爺様……アスラン王国の先王であったヴァシュタール前国王は、父の弟にして、私の叔父であるザク・ヴァシュタールを国王に任命。
父は母を救いたい一心で、これを不服とし、内戦を起こしたのだ。
初めて聞かされた父の目的を聞き、私は父を許した。それは余りにも、余りにも遅すぎた和解だった……。
そして、全てを語った後、父は息を引き取った……。
父の亡骸を抱え、私はある決意をする……。私も”父の後を追う決意”を……。
当然ながら、シンは止めようとした。
だが、もう私は疲れ切っていた。すべてを終わりにしたかった……。
中東で最も美しい国と言われたアスランを地で真っ赤に染め上げた者を父に持つ者として、私も父も多くの人を殺してきた……。
人々は父も、私も許さないだろう。きっとこのまま生き延びた所で、怒りに燃える群衆に殺されるのが結論だろう……。
第二次世界大戦におけるイタリアの独裁者、ムッツリーニの様に……。
だから、この今までの行いを全て清々し、息子としてできる最後の親孝行……そして、”最後の詰め”を自分の手で行う決意をした……。
「見送りは感謝する……、達者でな……」
「サキ!!やめろ!やめてくれ!!俺達は一体、何の為に戦ったんだ!?何の為にエリア88はあったんだ……サキ!?」
最後まで私を気遣い、止めようとしてくれるシンを振り切るかの様に、私は彼に礼を述べ、燃え盛る王宮の一角にある母の墓廟内に父の骸と共に入り、自らに銃を突きつける。
そして私は引き金を引いた……。
「サ……キ……、サキ!!」
燃え盛る王宮の中で、私が死の直前に聞いたのは、私の名を呼ぶシンの声だった……。
…
……
………
あれから、どれ程の時がたったのだろうか……。随分と長い時が経ったような気がする……。
「んっ……、んんっ……」
ふと目を覚ました時、私の視界に飛び込んできたのは真っ青な空だった。
……これは、どういうことだ?
私は燃え盛る王宮の中で、父の亡骸と共に自決したはずだ……。
そう思いながら、私は更に周りを見渡すと、私が今いる場所が生前の愛機であったイスラエル製の戦闘機……クフィールのコックピットである事を知り、ますます頭が混乱する。
まさか、これが死んだ後の”天国”だというのか?いや、あれだけのことをして、天国に行けるはずがない。
だとしても、今いる場所が”地獄”とも思えなかった。クフィールのコックピットから、見える周りの青空は地獄のものとは思えない綺麗な青だからだ。
「……まさか」
尽きる事無く湧いてくる自問自答を押し殺しつつ、クフィールの操縦桿を握りし
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