[8]前話 [1]次最後 [2]次話日もすっかり暮れた、とある日の夜。隊長室でミーナは1つのファイルに目を通していた。
「………」
表紙に書かれた英語のタイトルの下には、赤字の英語で「Because of an absolutely confidential matter, I forbid distribution, the inspection of troops except the person concerned strictly」と警告の書かれた、そのファイルを見て、ミーナは時折、顔を酷く顰めていた。
「ミーナ、入るぞ」
「えぇ」
そんなミーナの元にやってきたのは、彼女が一番の信頼する副官にして、最高の相棒であり、親友の美緒だ。
美緒はミーナの居る隊長室へと入るなり、彼女が目を通していたファイルを見て、こう言い放つ。
「またウィーラーの”改造記録”を見ているのか?」
この美緒の指摘に対し、ミーナは「えぇ……」と短く返しながら、言葉を続ける。
「何回見ても、これは信じられないわ……。こんな事が現実で起きるなんて……、まるでSF小説よ……」
ミーナがそう言いながら閉じ、机の上に放り投げたファイルには、先程の警告文の上に白の英語で、この様なタイトルが書かれていた……。
『A record in an operation record for experiment body 1 in the artificial Wizard manufacturing planning and the later follow-up and correspondence in the death.』