暁 〜小説投稿サイト〜
ストライクウィッチーズ 流星の白虎と暴れ馬のウサギ
変貌……、人ならず者へ……。
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の様……。
全く……”蛙の子は蛙”とは、よく言ったもんだぜ。クソッタレが……。

”やり場の無い、怒りにも近い感情”を胸に抱きつつ、俺は額に浮かんだ汗を拭いながら、深く息をついた。
「はぁ……」
「ど、どうしたウィーラー?そんな急に馬鹿デカい声出して?」
そんな俺の元に驚いたような表情で、スパナを手にしたシャーリーがやって来た。
どうやら彼女も、自分のP-51を整備か、調整する為に、このハンガーに居たのだろう……。
そう思いながら、俺はシャーリーにこう言葉を返す。
「いや……ちょっと昼寝してたら、酷い夢をな……」
「そ、そうか?もしキツイんだったら、明日は私の方から隊長に”体調不良で休む”って伝えておこうか?」
「いや……大丈夫だ」
シャーリーの提案をやんわりと断りながら、俺は木箱から身を起こし、途中までになっていたP-80の調整をしようと起き上がり、P-80の方を見るが、既に調整が完了した状態だった。
それを見て、胸の内で「ん?」と思いながら、近くに居たシャーリーに問い掛けるよりも、先に当の本人が工具箱にスパナを戻しながら、ニヤリと不敵な笑みを浮かべつつ、俺の左肩に腕を置きながら、こう言い放つ。
「アタシが残りの調整をやってやったんだぜぇ〜……、少しは感謝しろよぉ〜……」
「あぁ……、そりゃどうも……」
「………」
俺の礼に対し、あからさまに不満げな表情でじーっと俺の顔を見つめるシャーリー。
そんな彼女の顔を見て、俺は深く溜息をつきながら、こう言い放つ。
「コーラとチョコレートおごってやるよ」
「そうこなくっちゃ!!」
俺がそういった瞬間、シャーリーは満面の笑みを浮かべながら、俺の背中をバンと叩く。
その感覚を感じながら、俺はシャーリーと共にハンガーを後にした。

そんな俺とシャーリーの後ろ姿を見つめる様に、ハンガーの中には、青と白のツートンカラーに赤い文字で「P-80 Shooting Star」で書かれたP-80と、ウサギのパーソナルマークが入ったシャーリーのP-51が隣同士で置かれているのだった……。
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