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ストライクウィッチーズ 流星の白虎と暴れ馬のウサギ
変貌……、人ならず者へ……。
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そんな中、ミーナは、負傷兵達を満載して後方の軍病院に向けて、猛スピードで走っていくジープや救急車を見つめながら、残る部下、戦車隊の隊員、扶桑海軍の成年魔導士・空挺部隊によって32小隊の面々の亡骸を回収するという”辛い作業”に当たっていた。
「おい、これは脚か……?」
「そうだろうな……」
まるで航空機の墜落事故にでも巻き込まれた被害者の様に、原形を留めずバラバラになった32小隊の面々を”スコップで回収しつつ、死体袋に入れるという作業を行う物も居れば。
「……なんてこった。あぁ、神よ……」
この光景に耐えられず、近くの破片に腰を下ろし、涙を流す中年の戦車兵も居れば。
「ごめんなさい……、ごめんなさい……」
「うあああああああああああああああああああああああああああっ!!」
一列に並べれた32小隊の面々の死体袋の前に、跪いて祈る様に涙ながらに謝るウィッチ、見も知りもしない仲だったが、自分達が来る事を信じて戦った仲間達を救えなかった悔しさ、不甲斐なさ、怒りから、叫びながら近くにあった大破したトラックの窓ガラスを叩き割るウィザードも居た。
もう誰もかれもが、”生存者は愚か、生命の痕跡すらない”、この悲惨極まり無い状態を目の当たりにして、じっとしていられない様子だった。
ミーナも例外では無く、目を真っ赤にして、深く貯め息をつきつつ、近くにある破片に腰かけながら、頭から弦の羽を生やして、回収作業の指揮を執る扶桑海軍の成年魔導士・空挺部隊の隊長である中佐に話しかける。
「どう回収状況は?」
「一応、一通り……11人は回収しているが、どれも酷くやられている。小隊長が命じたんだろうな、ブーツの中に全員ドッグタグを入れていて、それを引っこ抜いて誰が、誰って分かる様な感じだ……」
空挺部隊隊長の言葉を聞き、ミーナは短く「……そう」と言葉を返しながら、頭を押さた。それと同時に何か引っかかる物があり、再び隊長に問い掛ける。
「11人?確か、32小隊は12人じゃなかったの?」
「あぁ……、今の所、回収した遺体の階級表とドッグタグから、判断して……小隊長がまだ見つかってないみたいだな」
「彼の名前は?」
「名前はウィーラー・マッカダムス。年齢は17歳、階級は少尉」
「……そう」
隊長から、そう聞き再びミーナは「……はぁ」と深くため息をつきながら、腰かける。
(どうしてこんな事に……?)
そんなことを考えていたら、やっていけない現状の世だが、どうしてもそんな考えが湧いてくる。
今まで多くの戦友たちが散っていくのを見てきたが、ココまで酷い散り様は、決して軍歴の短くないミーナでさえも、見たことが無かった。
それ故に、どうしても自分で自分を責めなければ、やってられない気分だった。
「……はぁ」
もう何度目になるかも分からない、溜息
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