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ストライクウィッチーズ 流星の白虎と暴れ馬のウサギ
変貌……、人ならず者へ……。
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彼女らの血と泥、排泄物の匂いと呻き声で、埋め尽くされた病院豪の中で、頭からアライグマの耳を生やして、一人治療に専念する衛生兵は俺の正体に所属する最年少(※13歳)のメンバーの”マックバーン上等兵”だ。
「大丈夫ですか?今、鎮痛剤を打ちますから、少しは楽になるかと……」
そう言いながら、この目を覆いたくなる様な後継にも怯みもせず、負傷した砲兵の一人にモルヒネを注射するマックバーン。
本当に彼は良くやってくれる物だ……。俺も他のメンバーも何回もお世話になっている。本当に頼れる仲間だ。
「あ、小隊長」
そう胸の内で思いながら、彼を見ていると、俺の視線に気づいたマックバーンが、一通り負傷兵達の治療や処置を終えるなり、俺の元に向かってくる。
「外の状況は?」
「勿論、最悪だ。正直、今日が山場だろうな……」
「……そうですか。まぁ、覚悟は決めているんですけどね……」
俺の報告を聞き、苦笑した様子で言葉を返すマックバーン。
そんな彼に対して、俺も苦笑しながら、こう言葉を返す。
「そりゃ、こんな事、覚悟決めたって躊躇わない方が可笑しいぜ」
「ですよね、ハハッ」
そう俺の言葉に対して、乾いた笑いを返すマックバーン。そんな彼に対し、俺はこう言葉を続ける。
「俺達はやれるだけやったんだ。ここで全滅しても、悔いは無いだろう?」
「そうですね……、小隊の皆で仲良くくたばって天国にでも行きますか?」
「案外、地獄でも悪くないかもな……」
と、マックバーンと俺が言葉を交わした瞬間。突如、凄まじい轟音と共に豪を含む303高地全体が地震の様に揺れた。
どうやら、ネウロイの連中は仕上げに取り掛かるつもりらしいな……。
揺れと轟音を感じながら、そう思った瞬間、豪のドアが勢い良く開き、小隊の副隊長にして、俺の親友である”ベイカー曹長”が頭にクォーターホースの耳を生やしながら、入ってくるなり、開口一番、こう言い放つ。
「ウィーラー、奴さんがおいでなすったぞ!!」
「OK、ベイカー!!先に配置に付いてろ!!俺もすぐに向かう!!」
「了解っ!!」
そう言いながら、M1カービンを手に配置に付くベイカーから、目の前にいるマックバーンに視線を移すなり、俺は彼にこう指示を飛ばす。
「マックバーン、お前はココを守れ!!」
「何言ってるんですか、小隊長!!自分も一緒に……」
「お前は衛生兵だ、最後まで負傷兵を治療してやれ。そうすれば俺達が全滅した後も、少しでも負傷兵達は生き残れるはずだ……。それにお前も……」
「小隊長……」
「頼むぞ!!」
マックバーンの右肩を軽くたたきながら、俺はそう告げ、愛銃のトンプソンM1A1を手に豪から出て、配置に付くのだった。
そんな俺の後姿を見ながら、マックバーンは立ち尽くすだけだった……。
…
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