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ストライクウィッチーズ 流星の白虎と暴れ馬のウサギ
流星の白虎と暴れ馬のウサギ
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言葉を交わす。
「どうやら、終わりみたいだな」
「えぇ、サーニャさん。周囲に他の敵影は?」
「一通り確認しましたが、確認できません。今、撃墜したので、全部でしょう」
ミーナの問い掛けに、固有魔法の全方位広域探査を使用した際に出る魔道針を頭に浮かべながら、周囲の安全確認を取ったサーニャの報告を聞き、ミーナは「そう……」と微笑みながら、返すと続けてこう言い放つ。
「それじゃあ、全員帰投しましょう」
「「「「「了解!!」」」」」
ミーナ隊長の出したこの帰投命令(?)に対して、501のメンバー全員が復唱を返し、編隊を組んでいく。


その様子を見ながら、俺はふと自分のGスーツの左肩に付けられたショルダーパッチを見る。
ショルダーパッチは、真っ赤な鏃の形をし、交わる様にリベリオン(Liberion)ファラウェイランド(Faraway land)と白い糸で書かれた刺繍が施されている。
これは、”リベリオン陸軍とファラウェイランド陸軍が合同で設立したコマンド部隊”の第1特殊任務部隊(1st Special Service Force)……通称、悪魔の旅団(Devil's brigade)のショルダーパッチだ。
そう……、あの時、シャーリーが言った”悪魔の旅団”だ……。
ほんの少し前まで、コマンド部隊の隊員……それも小隊長だった俺が、今じゃ航空歩兵としてウィッチ達と共に空を飛ぶなんて……想像もしなかった。

こんな想像を超える出来事が起こったのも、全て”あの時”から、俺が全ての仲間を失い、人ならざる者へと変り果てる事となった戦い……『303高地の戦い』からだ。

いまだにその時の事は、手に取るように思い出す。
俺は、その時に突きつけられた問いの答えを求め、この501へとやってきたのだ……。
だが、答えはまだ見つからない……。だけど、人ならざる者へと変り果てた時から、やるべき事はハッキリと分かっている。
そのやるべき事が、答えなのかは分からない……。ハッキリ言って、自己満足だ。
だが、これをやらないとあいつ等に合わせる顔が無い……。これをやるべき時は、何時のなのか……明日か、明後日か……。
日々、その時を待つと同時に、俺は答えを求め、今日も飛ぶのだろう……。


そんな考えが脳内を駆け巡る中、先に向かっていたシャーリーが立ち止まっていた俺に気づく。
「ウィーラー、どうかしたのか?」
「いや……、何でもない……?」
「そう?なら良いけど」
俺の言葉に対し、素っ気なく言葉を返したシャーリーは、こう続ける。
「ともかく、早く帰投して飯にしようぜ。今日は、扶桑の料理だってさ」
「あぁ、そうか……」
俺の返す言葉を聞きつつ、先の戦闘で見せた真剣な表情とは打って変わって、年相応の笑顔で微笑むシャーリー。


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