情報参謀 会議
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ンを室内に招き入れた。
ソファに腰を下ろし、相対する場所を示せば、アップルトンも腰を下ろす。
まるでどこかの情報参謀のようだなと思う。
「それで。報告というのは何だね」
「は、こちらになります」
ため息を飲み込んで、シトレに書類を渡す。
記載されたのは、先日情報参謀から上がってきていた意見書だ。
内容は、第五次イゼルローン攻略における情報について、どこまでの情報をどの部署まで伝達するかと言った内容であった。そんなものは従来通りでいいだろうと、当初は一笑に付したが、内容を見てみるとアップルトンだけで拒絶することはできないと思った。
実際にアップルトンの部署が訓練に求める練度は非常に高く、練度がより高くなれば、さらに違う作戦をとることも可能となるからだ。
現状では作戦参謀が最低限に求める訓練練度に到達することで精一杯。
だが、ある程度の情報を艦隊司令だけでなく分艦隊等に渡すことで、自発的に各艦隊が得意不得意とすることに対して個別に応じた訓練が行われ、練度は高まるものと意見されていた。
「可能だと思うのかね」
「作戦参謀の方でも検討をいたしましたが、結論としては検討する余地があるかと。つまり現状では情報を与えないため、訓練の練度の目標しか与えていません。しかし、艦隊にも得意不得意があり、目標を簡単に達成した艦隊はそれ以上の練度はあがりませんし、練度は結局のところ最低限のレベルに即した内容で終わる可能性が高い。一方で目的を与えることで、目標を達成した部隊はまた別の訓練を行えますし、それらを把握することで艦隊編成も柔軟なものになると」
「だが、その分情報が帝国にわたる可能性はあるわけだね」
「ええ。だからこそ、その部分の切り分けをしてもらいたいとの意見でした。正直」
そこで自らの髭を撫でながら、アップルトンは苦笑した。
「リバモア少将がこのような意見をあげてくるとは予想外でした。言い方は悪いですが、従来どおりを重視する傾向がありましたから」
「下から言われて、何も考えずに上に流しただけということもあるな」
「その可能性もあります。が、かといって無視するわけにもいかないわけでして」
「切り分けというのが難しいものだろうな。どこまで危険性を考えて、訓練の練度をあげるか。できそうかね」
「情報参謀次第といったところでしょう。仕事が一番増えるのは情報の――訓練を担当している第五室でしょうか。その実力があるかどうか」
「だが。失敗したところで問題はないのだろう」
「ええ。特段問題はございません。これがいいのかどうかわかりませんが」
そこでアップルトンは困ったように、苦笑を浮かべた。
苦い表情で、首を振りながら。
「よくはないのでしょうが、従来通りとの言葉は我々にも跳ね返ってくるのです。情
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