情報参謀 会議
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こえてきているといっているのだ。我々情報参謀が馬鹿にされているのだぞ」
「我々――情報参謀が、特にこの訓練前の時期の第五室の担当する仕事量は、作戦参謀の中でも随一の仕事量でしょうが、停滞は一切しておりません。仕事量ではなく机の前の時間での評価など、捨てておけばよろしいかと」
「何を――」
「び、ビロライネン大佐。落ち着いてください――アロンソ中佐も言葉が過ぎる」
慌てたように言葉にしたのは、情報参謀の第一室を担当するヴィオラ中佐がなだめるように声を出した。白い肌が助けを求めるように視線をさまよわせ、止まったのはリバモア少将だ。いや、睨むように向かい合うビロライネンとアロンソ以外の視線が、リバモア少将に向いていた。
こちらを見るなという焦燥が、誰の目にも分かった。
「ふ、二人とも落ち着きたまえ。ここは作戦を会議する場であって、喧嘩をする場ではない。うん、仕事が止まっていないのであればいいじゃないか。一大尉の動きなどに目くじらを立てる必要はない」
そして、事なかれ主義な意見を述べる。
正直なところリバモア少将にとっては、一大尉の動向ごときで、喧嘩をされても困る。
別に一大尉が仕事をしていないというのならば、それはアロンソ中佐の責任だ。
そんな雰囲気を察したのだろう。ビロライネン自身は気に食わなかったのであろうが、呻くように声を出せば、机から手を外した。
「確かに言葉が過ぎました、申し訳ございません、ビロライネン大佐」
静かに頭を下げるアロンソに対して、ビロライネンはふんという言葉で返した。
だが、それ以上は言葉にはせず、リバモアも反論がないと見たのか、慌てて続きを話した。
「では。会議を続けよう、まずそれぞれの担当から報告を」
「は。ではまず情報参謀第一室――帝国側の追加情報です」
慌てたようにヴィオラが手元の書類を広げて、裏返った声を出した。
+ + +
ビロライネンは不機嫌そうに腕を組んで黙るままで、ただ各部屋の状況報告が聞こえる。
そこには、特段大きな内容はない。いつも通り――だが、報告の一部に他の作戦参謀の意見と現状の相違からの改善が少しずつ入っていることに、アロンソは気づいた。
残念なことに、正面のリバモア少将とビロライネン大佐は気づいていないようだったが。
不愉快そうにさっさと会議を切り上げたい雰囲気がありありと、わかる。
だが、今の段階で不機嫌になられても困るのだが。
「第五室の訓練計画については順調です。先日には作戦参謀の方から修正案が来ましたが、必要とされる訓練の練度が非常に大きいものとなっておりますため、訓練時間を増やす必要はありますが。早めに分かったため、修正は可能な範囲であるかと。ところで」
順調との言葉に安堵をしたリバモアは、
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