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妖精の尻尾所属の戦闘民族(旧)
第21話 勝利の旗を上げるのは
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に、同じS級であるエルザはジョゼと戦っても倒せなかった。

化物を相手に仲間を一人だけ戦わせようなんて、彼はできない。…だが

「…いや、行くぞグレイ。兄貴の邪魔になっちまう」

「んな…エルフマン!?」

顔を顰めているが、否定的がない目の前の大男にグレイは驚愕する。
なにせ、この二人の、今この場にいるストラウス姉弟とレッドの仲を知っているのだ。
そこは止めると予想していたが…エルフマンは肯定した。

「言われた通りにするんだ」

「エルザ…」

エルフマンだけじゃなく、さっきまでジョゼに苦戦していたエルザまでもがここから離れるように言う。
レッドとジョゼの間から抜けてこちらへと向かうエルザ。

「行こう、立てるか」

「で…でもよォ…。…!?」

 グレイは一度レッドとジョゼの方へと目を向け、そしてここに留まるという選択肢を消した。

―――あの中に…入れねェ…。

確信したのだ。自分が…自分たちがここに居たら足手まといになってしまうと。
体力を使い果たし、魔力も多く残っては居ないであろう自分たちが居たら、互いに威圧をぶつけ合っているあの二人の巻き添えは確実だと理解してしまった。


「……レッド」

巨大な魔力が現れたことによりその存在に気づいたミラも、微かに震える。
恐怖を感じていながら――安心を覚えた。

自分たちとやり合って傷一つ付けれなかったジョゼの吐き気を覚えさせるような魔力に、レッドは怯みもせずに睨み…それに張り合うかのような形として魔力を纏っている。

「姉ちゃん…」

「大丈夫…早く行きましょう」

「…ああ」

自分の隣に来て、震えている自分を見て心配そうに眺める弟に気づいて彼女はすぐに行動に移した。
倒れていた体を起こして、ここにいるみんなとこの場から一刻も早く離れるように走る。
彼の邪魔をしないような場所に、早く行くために。
それに

「レッドは…帰ってくるの待ってるから」

無意識に呟いた言葉をその場から離れ、その場から離れていった。
その言葉を、金髪の戦士は答えた。

「――当然だ」


1年の旅から帰還した戦闘民族の彼――仲間に全てを託した彼らはこの場から離れていったのだった。


―――そして、彼彼女らが出ていったその広場から大きい魔力の爆発が起こった。







◆◆◆◆◆◆


「なんだ…!?」
「オイ!!!地面が!!」
「地震!?」
「どーなってんだーーっ!?」

幽鬼の支配者(ファントムロード)の巨人から最後の戦いが始まったと同時に地面が割れ、空は薄黒くなっていき、水の流れ
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