暁 〜小説投稿サイト〜
妖精の尻尾所属の戦闘民族(旧)
第21話 勝利の旗を上げるのは
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ある。


「本当…あんたたちには呆れるよ」

森の草原で座り、落ちていたリンゴをまたもや口につけるミストガンを目に入れないように背を向け、疲れたような声音でポーリュシカは呟く。

「――強すぎる力は悲しみしかうまない…そして悲劇の渦の中にいる事を怒りが忘れさせてしまう」

それは体験談なのか、ポーリュシカは悲しそうな、どこか諦めたような顔で”強力すぎる力”の本質を語る。
それは、今まで実行した人間をその目で見たことのある彼女の心からの言葉。

そして、ミストガンもそれをよく知っている。
その強力すぎる力で失ったことのある彼女(・・)は体験したことのあることであり、忘れられない光景を持つ身でもあるからだ。

その光景を頭に過ったせいで胸が苦しくなったが、空を見上げて彼女は安心する。

「――私はそれをも包み込む聖なる光を信じたい。全てを導く聖なる光を――」

その光とは、なんなのか。

何を確信して呟いたのか――

だが、少なくとも、彼女(ジェラール)の言葉には偽りはない。
確信として記せるのは、彼女にとっての光はまだ消えていないことだけ。







(…あっ、今日のレッドさんとの夕食メニューどうしよう)

 ポーリュシカと別れたあと、彼女はどこかズレたことを脳内で呟きながら、去るのだった。





◆◆◆◆◆◆




輝く黄金のオーラと闇を表すようなオーラを纏う二人の男は互いに睨み合っていた。
不意打ちを喰らわないように、”殺られない”ように互いに警戒心を最大限にして。

そして、レッドは腕の中で受け止めていたエルザを離してジョゼから視線を外さないまま指示をする。

できるだけ、これから起きることを巻き込まないように。

「行け、この場所から離れてな。その間オレはこのオッサンを懲らしめておく」

その声は感情を表せないような無機質だが、内心では怒りを溜め込んでいる。
だが、ここで怒りに任せて暴れれば大切な仲間(家族)も傷つけてしまう。それに今回は怒りに任せて倒せるような相手ではない。

だからこそ、素早くここから避難するようにレッドは指示する。

「……なんだ…?このでけえ…そして既視感のある魔力は…」

グレイに呟きにエルフマンも魔力を感知し、そして気づく。この魔力の正体を。

「レッド……!?」

「なんで兄貴がここに…!?」

「――早くここから離れろ」

二人の問いかけを答えず、急かすように言いつける金髪のレッドにグレイは顔を顰める。

当然だ。彼はレッドの強さ、その形態を知っているが…彼が聖十大魔道とやり合えるか分からない。
それ
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