第21話 勝利の旗を上げるのは
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「――巨人、そしてあの人が動いた。戦争は間もなく終結する」
ごく自然に、凛とした声は森のなかで響き渡った。
場所はマグノリアの東の森、ポーリュシカが住まう木の家の外だ。
ポーリュシカが診ていたであろう、今の妖精の尻尾の三代目総長であるマカロフ・ドレアーは魔力欠乏という危機の状態にあったにも関わらず、早い段階で回復し、病み上がりであるに自分のギルドの元へと駆けつけていったのだ
もう退職してもいい年だというのに、今でも現役を続けて無理を続けるマカロフに対する気持ちは「自身の身を気にも止めずに戦場へと駆けつける愚か者」という普通の医者として無理をする患者を、友人を怒りを抱くのは当然だ。
ストレスが爆発したのか、抑えきれなかったのか、人間の抗争と友人の勝手な行動に彼女は竹箒で暴れ、箱を叩いた。
そして、箱から零れ落ちたリンゴを手にとった覆面の魔道士――ミストガンは告ぐ。
―――もう戦争は終結する、と。
それを聞いてポーリュシカは内心また怒りを増し、目の前にいる魔道士に対して皮肉げな言葉を交わす。
「――人間同士の争いを助長するような発現はしたくないけどね、あんたも一応マカロフの仲間だろ。 どっとと出ていきな――そして勝手に争いでもしてるんだね」
マカロフを診ていたことで、もうその争いを助長しているようなものだが…彼女はそのために診ていたわけではなく、目の前にいる患者を助けただけであり、抗争復帰のために診ていたわけではないのだ。
だが、当人である魔道士は上記通り、抗争へと足を運んだ。家族を救う為に。
そして、その手助けしたのは、目の前にいるミストガンだ。
ならば、尚更顔を見る気もない彼女としては早く居なくなってほしい人物なのだが…。
「……!」
大量の旗が、風で舞う。
その端のマークを目で確認したポーリュシカは、目を大きく開いた。
――幽鬼の旗!?まさか…ファントムの支部を全て一人で潰して回った!!?
幽鬼の支配者は妖精の尻尾と同じように大きいギルドだ。
そして、何よりも支部に数がある。
そんな支部をだった一人――目の前にいる人物がやり遂げた。
疲労している様子もなく、何よりも汚れたどこにもついていない。
――これこそは妖精の尻尾のS級魔道士の一人。
妖精の尻尾でどちらが最強かと噂されている、強者の一人。
「――リンゴをもう一ついただきたい」
「こんなゴミをおいてく気じゃないだろうね!!!」
そして、天然がよく目立つ魔道士で
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