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第百十二話 一つの時代の終焉です。
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ンは強力な洗脳オーラを放射し、ティファニーら転生者以外を再度「支配」したのである。今度こそ、自我のかけらも持たぬように、強力なものを。

この瞬間シャロンは幸福だったかどうか、それは本人にすらわからないだろう。ただ、一つだけ言えるのは、数十億の人間の生命の生死を握っているのは自分であるという神に等しい境地に立っているということだ。この何千年という長い年月の間に、そのような境地に立つことのできた人間はほんの一握りだろうし、今後もそう多くは現れないだろう。今シャロンだけが、その究極の境地を体感していた。

極上の酒を堪能し、酩酊しているかのような、あるいは究極の快楽を与えてくれる麻薬を投与したかのような凄まじい高揚感が彼女の全身を包み続けていた。
彼女はそれを楽しんでいた。この上なく楽しんでいたのである。無数の人間の生命をこの手で握るという事・・・・ある意味で『究極の快楽』なのかもしれない。
先のルドルフ大帝も、その『快楽』におぼれたのだろう。権力を握り、力を握り、人間の生命を思うがままにするということは、これまでの権力への登極の過程で味わってきたスリルと興奮がとるに足らないものに思えてしまうだろうから。


シャロンの微笑が自身の発する赤い禍々しいオーラの光を受けて濃くなった。赤い禍々しいオーラは彼女の全身を包み、らせん状に周囲を渦巻いたかと思うと、無造作にすっと差し出された左手に纏いつき始めた。

シャロンの視線の先には、惑星フェザーンが、かつて帝国と自由惑星同盟双方を手玉に取った惑星が、禍々しく渦巻く赤いオーラ越しに佇んでいる。

「ごきげんよう。フェザーンの皆様方。その愚かな幻想と共に・・・永遠に眠りなさい。」

シャロンは無造作に指に込められたオーラを解放した。

アーレ・ハイネセン流体金属表面に、すさまじい波動を持つ赤いリングが形成され、それがシャロンという中心点に向かって収縮し始める。ついで包囲艦隊からもおびただしい数の驟雨がフェザーンに降り注ぐ。それを包囲艦隊の乗組員は熱狂的な視線で見つめる。

リングの収縮が限界に達し、一瞬赤い光点と化した瞬間、宇宙を衝撃波と共に一条の光が切り裂いていった。光はらせん状の渦を纏いながら一直線にフェザーンに降りていく。

転瞬――。

シャロンのオーラが命中した箇所が一瞬凹のようになったが、それを目撃できた者が何人いただろうか。すさまじい威力を持つシャロンのオーラは惑星の外郭を突き破り、マントルを軽々と射抜き、コアを直撃し、さらにコアを内部から膨張させたのである。一瞬フェザーンが膨れ上がった。そして膨大な岩石と光、そして衝撃波をあたりにまきちらしたのである。

20億人が一瞬で散った瞬間だった。

 安全距離にいたとはいえ、そしてシールドを展開していたとはいえ
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