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第百十二話 一つの時代の終焉です。
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かりにシャロンが軽く尋ねる。ティファニーはためらった後、
「ありません。」
あるはずもないとティファニーは思っていた。各地区で映し出されている映像は逃げ惑う人々が映るばかり。肝心の自治領主府からの回答があろうはずがない状況だったからだ。
「なんておろかなのかしら。彼らは自らの幻想の上にしか暮らせない人種なのだわ。」
シャロンが蔑んだような冷笑を浮かべる。
「閣下!!本気なのですか?!」
「私はいつだって冗談を言わないわよ。ティファニー、本気よ。」
「しかし――!!」
「惑星フェザーンが消滅したところで、たかが20億人を殺した程度。私は露ほども損害は受けないわ。もっとも砲撃破壊が失敗したところでアーレ・ハイネセン級要塞の2番手のイオン・ファゼガスを持ってくればいいだけの事。このフェザーン回廊は本日をもって消滅し、代わりにアーレ・ハイネセン若しくはイオン・ファゼガス回廊という名前にとって代わるというわけね。」
淡々と語るシャロンだったが、その体からは赤いオーラが出ているようにティファニーには見えた。狂気と憎悪という感情が凍てつくオーラとなって放たれている。
「要塞主砲を惑星フェザーンに。包囲中の全艦隊のすべての主砲もすべて惑星フェザーンに集中砲撃の用意を取りなさい。」
シャロンは部下に指令を下した。驚いたのはティファニーだけではないらしい。部下たちもこの言葉を聞いて初めて最高評議会議長が本気で惑星フェザーンを破壊しようとしていることを悟ったのである。シャロンに洗脳されている人間ですら、事の重大さの前に一瞬洗脳が解かれてしまったらしい。でなければ――。
「閣下!!」
「議長!!」
「おやめください!!」
という言葉が聞こえるはずもなかったから。

シャロンは軽く髪をかき上げて振るい落とした。抗議の声を、埃のように。
「聞こえなかったの?私は『やれ。』と命令したのよ。最高評議会議長の命令にこたえることは自由惑星同盟市民の義務だと思ったけれど?」
「・・・・・・・。」
「あなたたちがやらないなら、私がやるだけの事。」
シャロンはカツカツと靴音を鳴らしながら司令席に歩み寄り、さっと腰を下ろした。
「愚かなフェザーン・・・・経済という鎖を握りしめていれば、それだけで勝ちだと自負している・・・・。脆い砂で出来た『繁栄』という名前のかりそめの大地に座り込んで、動こうとしない。だから自分たちの予測の範囲外のことは想像もできない・・・いえ、想像もしようとしないのだわ。」
蔑みの言葉を並べながら、シャロンの指が洗練された速さでコンソールを操作する。リミッターが解除された要塞主砲が最大出力砲撃に向けてエネルギー充填を開始した。
『アーレ・ハイネセン主砲、インドラ・アロー主砲充填78%・・・・座標目標、惑星フェザーン自治領主府。』
無機
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