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第百十二話 一つの時代の終焉です。
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けないというのもある。
「もうじき客が戻ってきたら、また逆戻りだ。休む暇もないな。」
「今度はどちらへ、ですか?」
「さぁ、それは奴さんの指示を聞かんことにはな。」
 そうコーネフ船長が言った時、クルーから連絡があった。依頼人がフェザーン国際空港に戻ってきたのだという。
「予定よりも随分と早い戻りだが、まぁいい。さぁて、のんびりしてはいられないな。」
休憩時間は二人が予測していたよりも早く終わったようだった。
「一人の乗客の為に随分な待遇ですな。」
「全くだ。」

* * * * *
フェザーン自治領主府ではあわただしく動きが始まっていた。緊急避難勧告をすでに何度も発しているが、全ての住民が動く気配がないとの連絡が四方八方から寄せられている。彼らにとっては、フェザーンが消滅するなどとは、いわば隕石が降ってくるのと同じくらい信じられない事だったのだ。
「自治領主閣下・・・・。」
「滅びたいものは滅べばよいのだ。だが、私はそうは思わんたちでな。」
ボルテックをしり目に、ルビンスキーは室内を見まわす。既に部下たちが退去用の荷を作り終わっている。
「私は帝国に亡命する。場所がフェザーンから帝国に変わるだけで、私の欲するところはいささかも変化がない。・・・いや、一つ重みが加わったか。」
ルビンスキーが何を企図しているのかは、ボルテックにも十分わかっていた。
「スタッフはいかがいたしましょう?」
「既に退去勧告を発したのだ。今この時をもってフェザーン自治領主府はその機能を帝国に移す。それでもなおこの地に残りたい者はそうすればいい。それが、自由独立というものだろうからな。」
最後を強烈な皮肉の色で飾り立てると、ルビンスキーは窓辺に近寄った。かつてこの窓から広大なフェザーン市街地を見下ろすことこそが、彼の第一目標であり、そして、その後の野望のための一ステップに過ぎなかった。

だが、今は――。

「いや、違うな。これは次へのステップであることに変わりはないのだ。」

ふてぶてしい笑みを窓辺に送ると、ルビンスキーは踵を返し、二度と振り返ることはなかったのである。


その後――。

自由惑星同盟の機動要塞と大艦隊がフェザーンに殺到したのはそれから1週間後の事である。

「全艦隊、方円陣形に展開。フェザーンを包囲してアリ一匹も通さぬように警戒態勢を敷きなさい。」

アンジェが総旗艦艦橋で指示を飛ばす。

「第二十六艦隊はA地区に展開。第二十一、第二十三艦隊は帝国領方面D地区に展開し、帝国軍の動向に備え。第十二艦隊はF地区、第十三艦隊はG地区へ。第一艦隊は帝国領方面にて外周を固め。第八、第九艦隊は機動要塞側面に展開して待機――。」

 矢継ぎ早に下される指示によって、各艦隊はそれぞれのポイントに動いていく
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