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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百十二話 一つの時代の終焉です。
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うことはできないなんて。でもね、私は最後の最後まであきらめたくはない。ただそれだけなの。それはきっと・・・・。」
ドアの開けられる音がした。ミュラーが帰ってきたのだろうと思いながらフィオーナは立ち上がった。
「それはきっと、私だけじゃない。ラインハルトも同じ思いを持っているのだと思っているわ。」
そうして夫を迎える為に出ていく親友の背中にティアナは無言のつぶやきを放った。
(ラインハルトも同じ思い・・・か。本当にそうだったらいいのだけれど。おそらく・・・。)
不意にティアナが椅子から立ち上がったのは、入ってきたのは夫妻だけではなかったからだ。ミッターマイヤー、ロイエンタールが入ってきたのである。それを仏頂面で(正確にはロイエンタールに対してのみだったが。)迎えながらティアナは胸の内に浮かんでいたつぶやきを消した。
(ラインハルトが望んでいるのは最大多数の最大幸福。だから、フィオ。あなたみたいにすべてを救おうと考えているわけではないのよ。)
* * * * *
フェザーンでは大パニックに陥っていた。自治領主府から理由は不明であるが、一方的にフェザーンを退去するように全市民に勧告が出たのである。それも早急に。
フェザーン全土が大混乱に陥るのにそう長くはかからなかった。勧告を信じるもの、どうせ根拠のないものだと高を括るもの。様々だった。大半は後者であり、フェザーンを退去する人間は少なかったものの、それでもフェザーン商人たちにとっては一儲けするチャンスだった。
その中に、ボリス・コーネフが混じっていたのも当然といえば当然の事だろう。
「おいおい、どういう事だ?黒狐の奴、頭が暑さでおかしくなったんじゃないのか?」
そう言いながら、酸味の強い安コーヒーを飲むのは、ボリス・コーネフだった。相方のマリネスク事務長は相槌を打ちながら端末で経費の整理をするのに余念がない。
「まぁ、自治領主府直々の勧告ですから、根拠がないわけではないでしょうな。」
「フン!こちとら、例の貿易戦争で自由惑星同盟との交易が停止してから、とんだ割を食っているんだ。他の奴らもそうさ。ただでさえ少ない案件巡って商人同士で戦争状態だ。・・・
ったく!!」
ボリス・コーネフは最後をそう愚痴ったが、やがて顔を上げた。
「まぁ、そうは言っても、こうやって我々にも仕事が回ってきたわけですからな。これがなかったら今月の支払いが滞るところでした。」
「そんな中でこうやってもうけ話を提供してくれることに関しちゃ、奴に感謝してもいいか。」
ボリス・コーネフはコーヒーを苦そうに飲み下した。彼らはフェザーンにひそかに客を移送してきたのだが、その客の支払いがバカによかった。優に通常の積み荷の十倍を超える値段を支払ってもらったのだ。もっともこうした客を乗せなくてはやってい
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