再会
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くんはなかば強引に路地裏にあるゲームセンターへと連れ込まれた。
「ジャンプはなるべくしないでムダ飛びはスキつくるだけだから! そこでガード! 攻めるだけじゃなく守りも大事! まずは中段下段をおぼえる、このゲームは地上戦がメインだからね。相手の動きを読んで予測して!」
「わ、わかった」
モニター内で武器を持ったキャラクターが縦横無尽に動き回る。ゲームよりも紙の本、スマホも持っていない山内くんには未知の領域。不馴れな作業に戸惑いつつ人生初のゲームセンターデビューを果たした。
「いや〜、遊んだ遊んだ。どうよ、コンシューマーもいいけどゲーセンで遊ぶのもおもしろいだろ」
「たしかにおもしろかったけど、ずいぶんお金使ったよね。本当にいいの?」
「おれから言い出したことだから気にするなって」
財布の中身を確認する高橋。中学生にしてはなかなか羽振りの良い懐具合なようで、小銭入れしか持ってない山内くんはわずかながらおどろいた。
そろそろ帰るか、まだどこか寄っていくか、そんなことを話しながら歩いているときだった。
「おい、待てよボクちゃんたち」
高校生くらいだろうか、耳どころか鼻や口にもピアスをして、スケーターファッションを着崩したような服装の三人組が声をかけてきた。
(きちんとした恰好ができないと、個性と非常識を混同するようなアホになるぞ)
彼らの装いを見た山内くんはパパが言っていた言葉を思い出した。目の前の連中はだらしない≠アとと個性≠はき違えているようにしか思えなかったからだ。
「さっきゲーセンで見たけど、ボクちゃんらチョーお金持ってたよね。俺ら帰りの電車賃がなくてこまってるの。ちょっとお金貸してくれる」
カツアゲ、恐喝、ゆすり、たかり――。
そんな単語が脳裏をよぎる。
「お財布、落としたか盗まれでもしたんですか」
「んあ?」
「駅員さんか交番できちんと事情を説明すればお金を貸してくれるそうです。あるいはタクシーの着払いって手もありますよ」
完全に固まっている高橋に代わって山内くんが答える。
「え? あー、いや、そういうんじゃなくてさぁ、なんつーのかなぁ……」
正論で返され、鼻白むも気を取り直して交渉を続けようとする。
「キミらさぁ、お金持ってるでしょ。逆にボクらはお金持ってなくてこまってるの。援助してくれないかなぁ」
「財布をなくしたのか、ただたんにお金欲しさに脅しているのか、どっちなんです」
「あはは〜、まぁぶっちゃけその通りなんだけどさぁ、そんなにハッキリ言われると恥ずかしいわ。オレらまるで悪者みたい。……で、どうするの。素直に出すもの出せば、そっちの帰りの電車賃くらいは残しといてあげるから」
「それは、筋が通らない」
「あ
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