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満願成呪の奇夜
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いる。

『悪魔』……2000年以上前に大陸と民の全てを呪った存在。その存在や実在を広く信じられながら、実際にどんな存在でどのような力を持ち、何のために大陸を呪ったかなど詳細の一切が謎となっている。現在では既に伝説上の存在であり、また、呪法の源であり絶対を保証する唯一の存在とも言えるために一種の信仰の対象とさえされており、呪法師の誓いは悪魔に誓うのが慣例となっている。
そのため大陸の外の人間からは「何故悪魔を信じる癖に神を信仰しないのか」と不思議に思われている。しかし大陸の民には神という都合のいい存在やその恩寵を感じられない為、欠落を持つ者(後述)は特に神を信じることがない。


・呪い

呪素……呪獣と、大陸で生まれし呪われた民の全員にも宿っている力。呪いの源。

欠落……呪素を宿す呪われし民が必ず持つ心の欠陥。感情や心的感覚の一部分だけが存在せず、代わりに特定分野で突出した才能を発揮することが多い。嘗ては民の全員が欠落を持っていたので差別はなかったが、現在ではなぜか欠落を持たない「呪われていない人間」の出生率が急激に増えたことで差別化が進んでいる。欠落を持つ人間は欠落持ち、或いは欠落者と呼ばれる。
殆どはコミュニケーション能力に問題はないが、欠落した感情にも相性があり、極端に良いことも極端に悪い事もある。また、欠落者同士は潜在的な仲間意識が強く、自分たちと欠落を持たない人間を明確に区分している事が多い。
また、欠落は稀にコミュニケーションに支障をきたすほど重篤なものがあるが、そういった人間は強力な呪法の素養を持っている可能性が高いという俗説がある。
『欠落の反作用』……互いに互いの欠落が影響し合って相乗効果を生む現象を、欠落者の間で欠落の反作用と呼ぶ。俗説の一つ。

呪法(ブードゥー)……体内から呪素を取り出し、現実を改変する呪いとして放出する法術。大別して物理的な力に転用するものと、結界や呪法具など一定の機能を発揮し続けるものの二種類がある。高位の術者ともなると更なる力の発展を見せることもあるが、その少なからずは広く周知されると重大な危険を伴うため封印される事が多い。
戦闘に於いては術名を叫んでから発動する事が多いが、これは術名を口にすることでイメージが早く確実に固まるためであり、必ずしも詠唱という過程は必須ではない。逆に複雑な術であれば詠唱した方が失敗しにくかったり、強力な力を籠めたいときにスムーズに力を抽出できるというメリットもある。また、詠唱の内容は個人個人のイメージによる。

呪法師(ヴォドン)……呪法を操る者。後で再度説明する。

属性……呪法を効率的に使用する過程で生まれた『樹』『熱』『地』『錬』『流』の五つの属性。『三行』、『四行』、『六行』などいくつかの大原則が提唱されたものの、最終的に最も真理に
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