第四十五話 二学期になってその三
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「死ぬから、手遅れだと」
「そうですよね」
「脳梗塞とかも怖いけれど」
「癌もですね」
「そう、どっちも健康診断を受けていたら違うから」
早期発見や治療方法を教えてくれるからです。
「だからね」
「毎年ですか」
「診察は受けることよ」
「それが自分の為ですね」
「ご家族にも心配をかけないから」
だからと言いました。
「そこはいいわね」
「はい、毎年診察は受けます」
「そうしてね」
「そのせいでおみちの人長生きの人多いんですか?」
ここで、です。阿波野君はこんなことも言ってきました。
「だからですか?」
「それはまた違うわよ」
私は阿波野君の今の質問にはこう答えました。
「規則正しい穏やかな生活をしているからよ」
「それでなんですか」
「心を穏やかにしたら」
規則正しい生活にです。
「やっぱり長生きするのよ」
「そういうものなんですね」
「怒らず慌てず騒がず」
本当にそうすればです。
「そうしたらいいのよ」
「怒らないことですか」
「怒った時に吐き出す息は毒の塊っていうし」
ある教会長さんに言われたことです。
「その毒は自分にもかかるかも知れないでしょ」
「というか身体の中に毒が溜まりますね」
「そうなりかねないから」
だからと阿波野君にお話しました。
「怒らないことよ」
「それが第一ですか」
「健康の為にはね」
「そういえば長生きの人って穏やかなお顔してますね」
「それよ」
まさにとです、私は阿波野君に言いました。
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